
今回はKATOの211系3000番台・1000番台をご紹介したいと思います。
KATO211系のリニューアル製品もラインナップが充実してきましたが、ついに私にとって思い入れのある宇都宮線・高崎線で活躍した211系が登場しました。
今回は新たにラインナップされた211系3000番台・1000番台について、詳しく見ていきたいと思います。また、当ブログでKATOのリニューアルされた211系を取り上げるのは今回が初めてとなるため、旧製品との比較もあわせて行っていきます。
宇都宮線・高崎線で活躍した211系1000番台・3000番台

211系1000番台・3000番台は、115系の置き換えを目的として登場した寒冷地仕様の車両です。半自動ドアや耐寒・耐雪装備を備え、1000番台はセミクロスシート、3000番台はロングシートとなっています。
登場時は5両編成で、高崎線・宇都宮線では2編成を連結した10両編成や最大15両編成でも活躍しました。その後は東海道線で余剰となったグリーン車を組み込み、一部では3両+グリーン車2両+5両という特徴的な10両編成も登場しています。
2012年以降はE233系3000番台への置き換えによって高崎線・宇都宮線から撤退しましたが、短編成化された車両は現在も両毛線や上越線、吾妻線などで活躍を続けています。
ラインナップと編成
| 品番 | 品名 | 価格 |
| 10-1853 | 211系3000番台(高崎線・東北本線) 5両基本セット | ¥21,120 |
| 10-1854 | 211系3000番台(高崎線・東北本線) 5両増結セット | ¥18,700 |
| 10-1855 | 211系1000番台(高崎線・東北本線) 5両付属編成セット | ¥21,120 |

今回製品化された211系は、高崎車両センターに所属していた3000番台のC8編成と1000番台のB2編成がプロトタイプとなっています。
3000番台のC8編成は、旧A22編成・旧A29編成とグリーン車を組み合わせた10両編成です。国鉄時代とJR化後に製造された車両が混在しているため、編成内で製造時期による形態差が見られるのも特徴です。また、グリーン車は2階建てのサロ213と平屋のサロ210が組み込まれています。
一方、1000番台のB2編成は国鉄時代に製造された5両編成で、外観はC8編成に含まれる旧A22編成に近い仕様となっています。車内は1000番台なのでセミクロスシートとなっています。
C8編成の10両にB2編成を連結することで、実車同様の最大15両編成を再現できます。また付属編成のみの5両編成での運行もありました。
製品はPS33形シングルアームパンタグラフと原形スカートを装備。交換用の強化形スカートも付属しており、時代に応じた姿を楽しめます。
各車両のディテールをチェック
それでは各車両を見ていきましょう。


クハ210-3022です。上野寄りの先頭車で1号車となります。上野より3両は旧A22編成です。トイレが付いています。トイレタンクもレリーフながら再現されています。連結部の幌が標準装備となっています。


前面は…かっこいいですね。よくできています。連結器は連結できるカプラーとなっています。連結しないときは胴受パーツ、連結するときは電連パーツを取り付けることによって連結器周りがリアルに表現されます。


ヘッドライト・テールライト・種別表示・列番表示はきれいに点灯します。種別表示はLED表示の「普通」が取り付けられています。交換用に「快速」「通勤快速」が付属しています。また列番表示も交換用に2種類付属しています。これとは別に表示のない種別表示と列番表示が付属していて後述するステッカーでこれ以外の表示も再現できます。

側面です。銀の塗装は2色となっていますが写真だとわからないですね。表記類は印刷済みです。所属表記は当時の所属先である高タカになっています。ドアスイッチも印刷となっています。
旧製品ではクハ211の流用でしたがこの製品ではきっちりと作られていますのでドアコックの位置も正規の位置となっています。


床下にはヘッドライト・テールライトのオンオフスイッチが付いています。スイッチを変えるためのドライバーが付属しています。


屋根上です。まず目につくのはベンチレータが別パーツとなっているところですね。旧製品とは立体感が違いますね。ベンチレータ前後の模様もあります。アンテナ類は信号炎管は一体、アンテナはユーザーの別パーツ取り付けとなっています。

クーラーは旧製品と同一の成型品となりますが塗装はギラギラしたステンレスの質感となっています。

モハ210-3022です。2号車となります。クモハ211-3000とユニットを組みます。

クモハ211-3022です。3号車となります。運転台側にも幌が付いていますがグリーン車と連結するため、薄型の幌となっているようです。

パンタグラフはシングルアームパンタグラフPS33形となっています。もともとはひし形のPS21が搭載されていましたが交換されました。
避雷器は取り付け済みとなっています。

サロ213-1006です。2階建てのグリーン車で4号車となっています。

サロ210-1006です。平屋のグリーン車で5号車となります。

クハ210-3029です。6号車になります。この6号車から10号車は旧A29編成となります。サロと連結するため運転台側に幌が付いています。
基本的にはクハ210-3022と同じなのですが旧A22編成が国鉄時代に製造されたのに対して旧A29編成はJRになってから製造されたのでディテールに差異があります。ここで少し見ていきます。

前面のライトケースに違いがあります。国鉄時代に製造された車両ではヘッドライトとテールライトの枠の大きさがほぼ均等なのに対し、JR化後に製造された車両ではヘッドライト側の幅が大きくなっています。比較してみると、前面の印象が少し異なることが分かります。

幕板部の処理も異なります。側面方向幕と車端部の間が平らな国鉄時代に対してJRではビードが追加されています。

これはクモハ211の床下ですが抵抗器の配置が異なります。ずらっと並んで配置されている国鉄時代に対してJRでは2分割で配置されています。


サハ211-3058・サハ211-3057です。7号車・8号車となります。8号車は弱冷房車となり表記が印刷されています。

モハ210-3029です。模型における動力車となります。

クモハ211-3029です。運転台側には幌が付いていましたがグリーン車を連結したときに10号車と11号車の幌はつながれなくなったため撤去されてしまいました。なのでこの模型でもついていません。

付属編成との連結はこのような感じです。旧製品で採用されていた引き出し型の連結器と違い、連結部の間隔が実感的になっているのが良いですね。
付属編成も見てみましょう。

クハ210-1002です。11号車になります。11号車から15号車はB2編成となります。国鉄期に製造されたため外観は旧A22編成と同じになります。車内はセミクロスシートとなっています。


アンテナは基本編成とは異なり円形の台座が付いた形状となります。こちらもユーザー取り付けとなります。


サハ211-1004・サハ211-1003です。12号車・13号車です。13号車は弱冷房車です。

モハ210-1003です。14号車です。こちらも模型では動力車となりますが基本編成との協調を考慮してトラクションタイヤ(ゴム車輪)はなしとなっています。

クモハ211-1002です。15号車です。10号車同様に運転台側の幌は撤去されています。


グリーン車以外の車内パーツはロングシートで青色、セミクロスシートはワインレッドで再現されています。シートの色は登場時はワインレッドで2000年代後半に青色のものに交換されています。3000番台と1000番台で色が違うので交換時期がずれているのかもしれませんね。


グリーン車はロングシート車とは異なる青系の色のシートになっています。

台車はモハ・クモハ用のDT50とクハ・サハ・サロ用のTR235が作り分けられています。また運転台の下の台車にはスノープラウが付いています。

ステッカーも付属しています。行先に関してはLEDや幕式の前面表示、湘南新宿ラインや快速など様々な時代に対応した内容となっています。ほかに優先席・編成番号札・号車札や一部の時間帯に運行していた荷物室の表示のステッカーも収録されています。
オプション
純正室内灯

本製品の主なオプションは室内灯です。
KATO製の室内灯ユニットに対応しており、取り付けることで夜間走行時や停車中の雰囲気がぐっと引き立ちます。
| 品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
| 11-211 | LED室内灯クリア | ¥792 | KATO |
| 11-212 | LED室内灯クリア 6両分入 | ¥3,960 | KATO |


なお、2階建てグリーン車には照明板があらかじめ取り付けられています。通常の車両とは構造が異なるため、このような仕様になっているようです。また、2階部分の座席パーツ中央には穴が設けられており、ここから1階部分にも光が届く構造となっています。
取り付け方については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
、
ポポンデッタ製室内灯
| 品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
| 1528 | LED室内灯(エネルギーチャージャー付) 白色 Cタイプ 1本入り | ¥850 | ポポンデッタ |
| 1529 | LED室内灯(エネルギーチャージャー付) 白色 Cタイプ 7本入り | ¥5,600 | ポポンデッタ |
純正品以外の選択肢として、ポポンデッタ製の室内灯もおすすめです。
明るさが安定しており、編成全体の見栄えを整えやすいのが特徴です。また、純正品と比べて取り付けがしやすい点も魅力です。
取り付け方法や明るさについては別記事で詳しく紹介していますので、気になる方はそちらもあわせてご覧ください。
時代ごとの211系
今回の製品は、付属パーツや別売りのASSYパーツを使用することで、211系が活躍したさまざまな時代の姿を再現できます。ここでは、それぞれの時代に合わせた再現方法をご紹介したいと思います。
モノクラス時代
まずはグリーン車が組み込まれる前の姿です。

登場当初はひし形のPS21形パンタグラフを搭載していました。KATOでは形状が似ているPS17形パンタグラフのASSYパーツを使用するよう案内されています。


また、当時はクモハ211の運転台側に幌が取り付けられていたため、基本セットではクモハ211とクハ210の前面パーツを交換します。この前面パーツを外す作業は種別表示器を交換するときにも必要な作業ですが上側の爪が折れやすくなっているので注意が必要です。
増結セットをモノクラス時代の5両編成にするには、グリーン車の代わりにサハ211が必要になります。こちらはASSYパーツを利用し、1000番台のボディと3000番台の床板・台車を組み合わせることで再現できます。
さらに、当時の座席はワインレッドだったため、車内まで再現する場合は塗装が必要になります。ここまでこだわってみるのも面白そうですね。。
付属編成については、パンタグラフの交換に加えて、クモハ211の運転台側に幌を取り付ける必要があります。製品状態では両端の先頭車に幌がないため、ASSYパーツなどで幌を用意し接着剤や両面テープなどで取り付けます。
モノクラス時代は単独の5両編成での運用はもちろん、2本または3本を連結し、10両編成・15両編成で運転されていました。各編成は共通運用となっており、連結する組み合わせや順序も固定されていなかったため、号車札は使用されていませんでした。
そのため、模型でもさまざまな編成を組み合わせて楽しめます。こうした自由度の高さも、モノクラス時代の211系の面白いところですね。
グリーン車組み込み後
今回の製品は、基本的にグリーン車組み込み後の姿を再現していますが、時代によって細かな仕様が異なります。
グリーン車が組み込まれた当初は、まだひし形のパンタグラフを搭載していました。また、クモハ211の運転台側の幌が撤去され、各車両には号車札が使用されるようになりました。


さらに晩年にはスカートが強化されました。今回増結セットに付属する強化形スカートは、原形スカートに板を追加したような独特の形状となっており、交換することで晩年の姿を再現できます。
宇都宮線・高崎線撤退後の211系
宇都宮線・高崎線から撤退した後も、高崎車両センターでは短編成化した211系が引き続き活躍しています。今回の製品を組み替えることで、こうした短編成化後の姿も再現できます。

今回のC8編成は、グリーン車とサハ211を脱車した6両編成としても活躍しました。スカートは長野地区の211系と同様の形状に変更されています。ただし、後年にはベンチレータが撤去されているため、今回の製品では撤去前の姿を再現することになります。
また、基本セットからサハ211を1両抜くことで、高崎地区で活躍する4両編成も再現できます。こちらもスカートは長野地区と同様の形状となっており、ベンチレータ撤去前の姿が対象となります。
このように比較的手軽に短編成化後の姿を楽しめますが、セットを購入すると使用しない車両が出てしまうのは少し悩ましいところですね。
旧製品との比較・連結
さて、ここからは旧製品と比較してみましょう。旧製品は国鉄時代に製造された車両がベースとなっているため、今回は同じく国鉄時代に製造された旧A22編成と比較していきます。

まずは前面です。旧製品もプロポーションはよくできていますね。ただ、前面貫通扉のモールドはホットスタンプの影響なのか、少しぼやけた印象があるのが気になります。また、スカートは強度や連結器の構造によるものなのか、下部がつながっており、全体的に下へ長く伸びた形状となっています。

ヘッドライト・テールライト・前面表示器はどちらも点灯しますが、旧製品は麦球を使用しているため、リニューアル製品と比べると光の黄色みが強くなっています。また、スカートの形状の違いもこちらの写真の方が分かりやすいですね。
それから、リニューアル製品では運転台がシースルー構造になっている点も見逃せません。室内灯を取り付けることで、さらに見栄えがよくなりそうですね。

続いて側面です。旧製品は国鉄時代のクハ211のボディを流用しているため、ドアコックの位置が異なります。また、乗務員扉下部の手掛けはJR化後に増設されたものなので、旧製品では再現されていません。
旧製品の塗装は単色の銀色ですが、乗務員扉やドアの縁にはホットスタンプによる光沢の強い銀色が使用されており、アクセントになっています。これはこれでよいですね。
表記類やドアスイッチは旧製品でも印刷済みですが、ドアスイッチはリニューアル製品とは表現が異なります。また、所属表記は当時の所属先である「高シマ」となっています。


次に屋根上です。まず目につくのはベンチレーターの違いですね。旧製品では屋根と一体成形となっているため、前後の立体感が乏しく、平面的な印象となっています。
クーラーはリニューアル製品と同じ成形品ですが、塗装の質感が異なります。旧製品では銀色の光沢が抑えられており、落ち着いた仕上がりとなっています。

車内パーツは、旧製品ではアイボリーとなっています。一方、リニューアル製品では座席の色が再現されているため、車内の印象も大きく異なります。

台車は旧製品もよくできていますが、比較するとリニューアル製品の方が細部まで表現されていることが分かります。また、旧製品では空気ばねが小さく、車体が浮いているように見える部分がありましたが、リニューアル製品では空気ばねが大きくなり、この点も改善されています。

先頭車の連結器は、旧製品ではKATO製品によく見られた引き出し式となっています。そのため、連結時の車両間隔は少し広くなってしまいます。
最後に、旧製品とリニューアル製品の連結についてご紹介します。
旧製品はフック付きカプラーを採用しているため、そのままではリニューアル製品と連結できません。しかし、ASSYパーツを利用することで連結できるようになり、連結器周辺のディテールも向上します。

必要なパーツは、813系用の「クハ813前面カプラーセット」と211系用の電連の2点です。

まず、旧製品の運転台側に取り付けられているカプラーを取り外し、813系用のカプラーに交換します。さらに、カプラーには電連パーツを取り付けます。今回はリニューアル製品で胴受パーツを使用したため、余った電連パーツを流用しました。手元にない場合は、ASSYパーツで別途用意してください。

これでリニューアル製品との連結が可能になりました。外観も元のカプラーより実感的になりましたね。

ただし、連結する際にはいくつか注意点があります。旧製品側は連結間隔が少し広くなることに加え、新旧製品ではモーターの仕様が異なるため、動力車同士を連結して走行させるのには不向きです。
私の場合は、旧製品の動力車が含まれない増結セットを連結し、モノクラス時代の15両編成を楽しもうと思っています。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
現在のKATOの技術が詰め込まれた211系は、まさに決定版ともいえる仕上がりですね。細部まで丁寧に再現されており、文句のない出来だと思います。特に、学生時代によく利用していたあの211系を再現できることが、個人的にはとてもうれしいです。
宇都宮線・高崎線で活躍した211系には、今回の製品以外にもさまざまな形態が存在しました。例えば、2階建てグリーン車を2両連結した編成などもありましたね。また、ASSYパーツを活用することで多くの形態を再現できますが、その一方で余剰車両が出てしまうのは少し気になるところです。今後のさらなるバリエーション展開にも期待したいですね。
さて、ここまでKATOの211系をご紹介してきましたが、やはり気になるのはTOMIXの211系との違いです。当ブログでは、両社の製品を比較する記事もいずれ制作したいと考えています。いつになるかは分かりませんが、気長にお待ちいただければと思います。
それでは、皆さまも素敵な模型ライフをお楽しみください。



