
今回はマイクロエースの東武8000系をご紹介します。
近年はKATOから東武8000系が展開されていますが、それ以前は他メーカーの製品が主流となっていました。今回ご紹介するマイクロエースの製品も、その中のひとつです。
今回、紹介する製品は現在もアーバンパークラインで活躍する81113Fを再現したもので、KATOから発売されているものとはプロトタイプが異なるため、現在でも見どころのある製品となっています。
それでは、中身を見ていきましょう。
東武8000系バリアフリー修繕車とは

今回ご紹介する製品のプロトタイプは、東武8000系の中でも最後に修繕工事が施工されたグループです。このグループは、それまでの修繕車とは内容が異なることから、「バリアフリー修繕車」や「スーパー8000」と呼ばれています。
外観では、ワンマン車と同様に車外スピーカーが設置されているのが大きな特徴です。車内ではドア上に千鳥配置でLED車内案内表示器が設置されたほか、座席にはスタンションポールが追加され、シートもバケットシート形状へ変更されました。
また、後期に製造された車両を種車としているため、ドア窓や床下機器なども従来の8000系とは異なっています。
この仕様に該当するのは6両編成の81110F・81113F・81114Fで、現在も東武アーバンパークライン(野田線)で活躍しています。
ラインナップと編成

今回ご紹介する製品は「東武8000型・新塗装・冷房・野田線 6両セット」です。プロトタイプは81113Fとなっています。
製品名には「野田線」とありますが、車体に「アーバンパークライン」のロゴが貼り付けられた現在の姿となっています。
各車両のディテールをチェック
では、各車両を見ていきましょう。
今回はKATOの東武8000系アーバンパークラインと比較しながら、メーカーによる表現の違いやプロトタイプによる違いにも注目していきたいと思います。掲載している比較写真は、特に断りがない限り上または左がマイクロエース、下または右がKATOとなります。

まずはクハ81113です。全体的に良い印象です。マイクロエースでは2000年代から東武8000系を製品化していますが、当時の製品と比べると前面のディテールはかなり改善されています。


ヘッドライト・テールライトは点灯しますが、やや暗めでしょうか。2枚目のKATO製品との比較を見ると、その違いが分かりやすいですね。
行先表示器にも違いがあります。マイクロエースは透明のプリズムを使用しているため、点灯時にややムラがある印象です。一方、KATOは乳白色の成型品が使われており、比較すると均一に光っています。

前面周りをもう少し詳しく見てみましょう。
スカートは中央の縦棒が省略されています。これは併結時に使用するカプラーとの干渉を避けるためと思われます。KATOも同様の構造ですが、連結しないときに使用する別パーツが用意されており、このあたりはKATOの細かな配慮が感じられます。
もうひとつ異なるのがジャンパー栓です。マイクロエースでは台座部分のみで、線部分は省略されています。これも連結時の干渉を考慮したものと思われます。一方、KATOではジャンパー線の有無を別パーツで選択できるようになっています。アーバンパークラインでは基本的に他編成との連結は行われないため、この部分はKATOのパーツを流用してディテールアップしてみてもよさそうです。
また、両社では屋根の形状にも違いがあります。マイクロエースは屋根のRが大きく、肩のRが小さくなっており、幕帯と雨どいの間隔も狭く見えます。実車と比較するとKATOの方が近い印象です。この差は側面から見たときの印象にも影響しています。

側面を見てみましょう。
車体の表記類は、車番・号車番号・アーバンパークラインロゴなどすべて印刷済みです。バリアフリー修繕車の特徴である車外スピーカーも印刷で表現されています。
次にKATO製品と比較してみましょう。先ほど触れた屋根部のRの違いは側面から見るとさらに分かりやすく、マイクロエースは雨どいと幕帯の間隔が狭く見えます。床下機器は両社でほぼ同じ配置となっています。一方、KATOでは乗務員用ステップも再現されています。マイクロエースでは乗務員扉の窓に表記が入っているのが目立ちます。

写真では少し分かりにくいですが、塗装にも違いがあります。車体のホワイトはマイクロエースの方がややクリーム色に近い印象です。また、帯色も車体色との組み合わせによるものか、マイクロエースの方がややくすんだ色合いに見えます。

ドア窓の表現も両社で異なります。金属押さえのある8172F(KATO)に対して、81113F(マイクロエース)は金属押さえのないタイプとなっており、これはプロトタイプによる違いです。一方、窓自体の大きさにも違いがあり、マイクロエースは実車よりも小さく表現されているように見えます。

屋根上も見てみましょう。
屋根色にも違いがあり、マイクロエースの方がやや明るめのグレーとなっています。写真では全体的に暗めに写っていますが、実物ではもう少し明るく見えます。
空調装置も両社で大きさが異なり、マイクロエースの方がやや大きく、前後方向に長くなっています。また、ファン 部分はKATOでは内部の羽まで再現されており、より細かな表現となっています。
屋根端部の雨どいにも形状の違いがあります。実車では修繕時にこの部分が小型化されていますが、マイクロエースでは修繕前に見られる大型の形状となっています。

連結部です。
両社とも幌が取り付けられています。マイクロエースでは幌に渡り板まで表現されていますが、KATOと比べるとやや小ぶりです。また、幌の取り付け穴が一部見えてしまっているのも少し気になるところです。
また、検査票の位置にも違いがありマイクロエースとKATOでは位置が異なっています。マイクロエースの各車両を確認すると両側に表現されている車両や、そもそも検査票のない車両もあり、このあたりは金型の共用によるものかもしれません。
カプラーはKATOがボディマウントのKATOカプラーなのに対し、マイクロエースはアーノルドカプラーとなっています。なお、マイクロエースは同社オリジナルのマイクロカプラーに対応するほか、TOMIXのボディマウントTNカプラーを取り付けることも可能です。

モハ82113です。模型ではこの車両に動力が搭載されています。屋根上には2基のパンタグラフがあります。

側面の表記を見るとベビーカーマークがありませんが、これは後年になって追加されたものでKATO製品にはあります。この製品が発売された時点ではまだ取り付けられていなかったため、当時の姿としてはこの状態となります。現在の仕様を再現する場合は追加してあげたいところです。

動力車の床下も比較してみましょう。
マイクロエースは動力ユニットのケースが大きく、床下機器の表現はケース表面だけとなっています。一方、KATOは動力ユニットのケースを極力小さくして可能な限り立体に見えるように作られています。

パンタグラフ周りでは、マイクロエースの台座がシャープに表現されています。
避雷器は両社で形状が異なります。もともとはKATO製品に見られるような丸みのある四角形のものが搭載されていましたが、後年になってマイクロエース製品に見られるタイプへ交換されています。ただし交換時期は車両によって異なり、同一編成内でも形状が異なる場合があります。

モハ83113です。

後期に製造された車両のため、MGにはブラシレスのCLG-704、コンプレッサーにはHB-2000Cが搭載されており、模型でもそれぞれ再現されています。KATO製品とはプロトタイプが異なるため、コンプレッサーは同じタイプですが、MGは異なるものが搭載されています。このあたりは実車の仕様差が模型にも反映されています。

サハ87113です。
床下機器についてはモハ83113と同じ構成となっているため、模型でも同じ床下パーツが使用されています。

モハ88113です。
片側にパンタグラフを搭載した車両となります。床下機器については、この車両専用のものが製作されています。

最後は反対側の先頭車となるクハ84113です。
この車両には本来、前面に幌が取り付けられていましたが、野田線へ転属した車両では撤去されています。

この幌撤去部分にも両社で違いがあります。マイクロエースではクハ81113と同じ形状となっていますが、KATOでは幌を撤去した跡を作り分けています。実車でもこの部分には形状の違いがあるため、細かな部分まで作り分けているKATOのこだわりが感じられます。

車内パーツも比較してみましょう。
他の通勤車同様にクリーム色で車内全体を表現するKATOに対して、マイクロエースは座席に合わせた黄緑色となっており、このあたりは好みが分かれそうです。

最後に台車を見てみましょう。
台車は後期の車両が装着しているFS396です。形状自体は両社ともよく再現されていますが、比較するとマイクロエースの方がやや小ぶりに見えます。
また、マイクロエースはボルスタアンカーが小さく、その奥にある集電ばねが見えやすくなっています。こうした台車周りの構造もあり、KATOと並べるとマイクロエースの方が車高が高く見えるようです。

また、マイクロエースのアーノルドカプラーはアタッチメントを介して台車に取り付けられています。このアタッチメントを取り外すことでボディマウントカプラーに交換できるほか、再び取り付ければ元のアーノルドカプラーに戻すことも可能です。
オプション
室内灯

本製品はオプションで室内灯に対応しています。取り付けることで、夜間走行時や停車中の雰囲気をよりリアルに楽しむことができます。
公式の案内では電球色・白色の両方が案内されていますが、東武8000系の車内照明には蛍光灯が使用されているため、白色の方が似合うと思います。
| 品番 | 品名 | 価格 |
| G0003 | 室内灯・広幅・白色LED 2個入 | ¥1,958 |
| G0004 | 室内灯・広幅・白色LED 6個入 | ¥5,478 |
また、TOMIX製の室内灯を取り付けることもできます。室内灯については、後日別記事で改めて紹介したいと思います。
マイクロカプラー

また、この製品はマイクロエースのボディマウントカプラーであるマイクロカプラーに対応しています。形状がリアルになります。
| 品番 | 品名 | 価格 |
| F0004 | マイクロカプラー・自連・グレー 6個入 | ¥1,320 |
カプラーに関してもTOMIX製のボディマウントTNカプラーを取り付けることができます。こちらも後日、記事で紹介したいと思います。
マイクロエースの東武8000系
ここではマイクロエース東武800系の過去製品にスポットを当ててみたいと思います。
最初に製品化されたのは2003年です。中期修繕車の8168F(6両編成)と8152F(4両編成)です。いずれの編成も本線系統(野田線を含む)で運用されていました。両セットを組み合わせて10両編成にもできます。付属のステッカーには東上線の行先も収録されていたようです。
一方、初期の製品ということもあり、前面の造形は実車と比べるともうひとつという印象でした。また、車高が高く、台車から集電ばねが見えてしまう点も気になるところでした。
その後は未修繕車や初期修繕車といった、いわゆる丸ライトの「東武顔」を持つ8000系も製品化されましたが、こちらも前面の造形は今ひとつという印象でした。
転機となったのが2013年に発売された未修繕車・初期修繕車です。前面のライト位置などが見直され、より実車に近いプロポーションとなりました。
さらに2018年には、今回ご紹介しているバリアフリー修繕車が発売されました。すでにディテールの章で見てきたように、前面のプロポーションは初期製品から格段に良くなっています。また、台車周りについても集電ばねが以前より目立ちにくくなりました。

その後の東武8000系は、このバリアフリー修繕車や2013年に登場した未修繕車・初期修繕車をベースに、さまざまな仕様が製品化されています。また、同様の前面を持つ5000系・5050系・5070系についても、これらの製品をベースに展開されています。
そして2026年には、ぶどう色に塗装されたワンマン車が製品化されました。KATO製品が既存製品を流用した後期修繕車タイプとなっているのに対し、マイクロエースでは晩期に製造された車両の特徴を再現しており、両社の違いが見られる製品となっています。
| 品番 | 品名 | 価格 | 発売日 |
| A0102 | 東武鉄道8000系 更新車 6両セット | ¥19,250 | 2003.11 |
| A0103 | 東武鉄道8000系 更新車 4両セット | ¥15,180 | 2003.11 |
| A0104 | 東武8000系新製冷房車 クリーム色 6両セット | ¥19,580 | 2005.05 |
| A0109 | 東武8000系復活塗装6両セット | ¥19,580 | 2005.05 |
| A0101 | 東武8000系 新塗装・冷房車 6両セット | ¥21,340 | 2009.09 |
| A0106 | 東武8000系・新製冷房車・新塗装 6両セット | ¥24,200 | 2013.08 |
| A1863 | 東武8000系・原型窓更新車・新塗装 6両セット | ¥23,540 | 2013.08 |
| A1861 | 東武8000型・新塗装・冷房・野田線 6両セット | ¥32,230 | 2018.05 |
| A1865 | 東武8000型 宇都宮線 4両セット | ¥18,370 | 2020.07 |
| A1868 | 東武8000型 ワンマン車 ぶどう色1号 4両セット | ¥23,100 | 2026.07 |
まとめ

いかがでしたでしょうか?
マイクロエースの東武8000系は前面のプロポーションが改善され、単体で見ると良い仕上がりとなっています。しかし、KATO製品と細かく比較してみると、思っていた以上に両社の違いが多いことが分かりました。特に車体のプロポーションや細かなパーツの作り分けなどを見ると、後発となるKATO製品の完成度の高さが目に付きます。
一方で、今回紹介した81113FはKATO製品とはプロトタイプが異なり、バリアフリー修繕車ならではの姿を楽しめるのはマイクロエース製品の魅力です。両社の違いを見比べながら、並べて走らせてみるのも面白いですね。
さて、過去製品の紹介でも触れましたが、未修繕車や初期修繕車の「東武顔」も気になるところです。そこで、同じ前面を持ち、2013年の製品で改良されたプロポーションを受け継ぐ東武5070系も、近々ご紹介できたらと考えています。気長にお待ちください。
それでは、皆さまも素敵な模型ライフをお楽しみください。

