今日は209系500番台を取り上げます。205系同様、京浜東北線では少数派にとどまった車両ですが、209系が主力となる同線の中でも、ひときわ注目を集めた存在でした。ワイドボディ化された車体や大型窓といった特徴は、後の通勤電車の流れを先取りした仕様とも言えます。
今回はTOMIXの模型を見ながら、この209系500番台の特徴や編成、模型としての楽しみ方を紹介していきます。

目次
ワイドボディ仕様が特徴!209系500番台の登場と移籍の経緯
209系500番台は、1998年に中央・総武線各駅停車用として登場しました。もともとこの路線では次世代通勤車の試作車として209系950番台が試運転を続けていましたが、103系の老朽化による故障が相次いだため、量産車の開発を待たずにつなぎとして500番台が投入されました。
最大の特徴は車体幅が広げられたワイドボディで、通勤型にも近郊型車両に用いられていた車体幅を採用。先に登場していたE217系(横須賀・総武快速線)が4ドア近郊型という新たな設計になっていたこともあり、通勤型と近郊型の共通化がより進んだ時期でもありました。この設計思想は、後のE231系へとつながっていきます。
その後、京浜東北線には2000年にまず2編成が転属。これは209系のデジタルATC改造の際に必要な予備車として活用され、改造終了後も増発用として残りました。さらに2006年から2007年にかけて、老朽化した試作編成(209系900番台=元901系)の置き換え用として3編成が追加され、最盛期には5編成が京浜東北線で運用されていました。
しかし2008年、E233系1000番台の導入に伴い京浜東北線での運用は終了。5編成中4本は京葉線へ、残る1本は中央・総武線各駅停車に戻り、活躍の場を移していきました。

現在入手困難?TOMIX 209系500番台(京浜東北線)のラインナップと編成
TOMIXの209系500番台は、基本セットと増結セット、さらに単品車両を組み合わせることで実車の10両編成を再現できる構成になっています。
■ TOMIX 209系500番台(京浜東北線仕様)の主な製品構成
・基本セット(4両)
・増結セット(3両)
・サハ209-500単品(3両)
・限定品:後年仕様(窓改造あり)の10両セット

基本セットは先頭車を含む4両、増結セットは3両、残るサハ209-500形は単品で用意されていました。これらをすべてそろえることで、京浜東北線で実際に活躍していた10両編成が完成します。
後に限定品として10両フル編成のセットも発売されました。こちらは実車の後年の姿をモデルにしており、窓の改造が施された仕様になっています。
現在は実車がすでに京浜東北線から撤退しており、模型も再販は行われていない状況です。そのため新品・中古ともに入手がやや難しくなっています。今後の再生産を待っているファンも多い製品のひとつと言えそうです。
Nゲージで楽しむワイドボディ通勤車!TOMIX 209系500番台の細部をチェック
TOMIXの209系500番台は、ワイドボディらしい横に広がった車体や前面形状の丸みを持ったデザインなど実車の特徴をよく捉えています。
各車両を見ていきましょう。

クハ208-500です。1号車で大船方の先頭車です。JRマークは印刷済みですが車番や号車表記などは付属の転写シートから貼り付けます。

屋根上です。運転台上のアンテナは付属部品を取り付けます。

正面から見ると車体幅が広がり丸みを帯びているのが良くわかります。ヘッドライト・テールライトと行先表示機は点灯します(ごめんなさい、写真の車両は点灯していません)。行先表示は付属のステッカーから貼り付けます。スカートは成型品そのままですがこの模型ではマッキーで足を黒く塗ってあります。

モハ208-500です。2号車と7号車になります。モハ209-500とユニットを組みます。模型では7号車がモーター車となります。カプラーはアーノルドカプラー標準装備ですが、ボディマウントTNカプラーへの交換も可能です。


モハ209-500です。3号車と8号車になります。シングルアームパンタグラフが付いています。避雷器は別パーツでユーザー取り付けです。

サハ209-500です。4・5・6・9号車となります。4号車は弱冷房車です。0番台では6号車が6扉車でしたが500番台ではすべてが4扉車です。

クハ209-500です。10号車で大宮方の先頭車です。車番や号車などの表記類を貼り付けました。
209系500番台をカスタマイズ!室内灯・カプラー交換方法
TOMIXの209系500番台は、TNカプラーや室内灯に対応しています。
品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
0733 | 室内照明ユニットLC(白色LED) | ¥968 | TOMIX |
0737 | 室内照明ユニットLCセット(白色LED・6本入) | ¥5,500 | TOMIX |
0336 | 密連形TNカプラー(SP・黒・6個入) | ¥1,650 | TOMIX |
室内灯は室内照明ユニットLC(白色LED)が対応しています。取り付けることで夜間走行の雰囲気が出せるほか、通勤型らしい室内も表現できます。取り付け方は以下のリンクを参照してください。
カプラーは標準のアーノルドカプラーから、別売のボディマウントTNカプラーに交換することが可能です。連結間隔が狭まり、連結面のリアリティが向上します。取り付け方は以下のリンクを参照してください。
京浜東北線を再現!209系500番台と並ぶ車両たち
同時期に走っていた209系0番台と並べると、標準車体との違いがわかりやすく楽しめます。また置き換えが進んだ時期の雰囲気を出すなら、E233系1000番台との並びもありです。


南北に長く伸びる京浜東北線は、さまざまな路線と並走する区間が多いのも特徴です。高崎・宇都宮線(115系・211系・E231系)、埼京線(205系)、山手線(205系・E231系)・常磐線(103系・E231系・415系・E501系・E531系)・中央快速線(201系・E233系)・東海道線(113系・211系・E231系)・横須賀線(E217系)・横浜線(205系)などの車両と並べると、実際の運転風景が再現しやすくなります。特に山手線は同一ホームでの並び、横浜線は根岸線区間で同じ線路を走る姿が楽しめます。




短期間の活躍を模型で楽しむ209系500番台

京浜東北線では短期間の活躍だった209系500番台ですが、ワイドボディの特徴は模型でもしっかり楽しめるポイントになっています。フル編成で走らせたり、209系0番台やE233系1000番台と並べて移り変わりを再現するのも面白いところです。
また、南北に長い京浜東北線の車両なので並走車両も充実しており、他路線の車両と組み合わせるとレイアウトの幅も広がります。京浜東北線仕様は現在入手が難しくなっていますが、他線区で活躍した209系500番台も製品化されていますので、そちらの購入を検討する際の参考になればと思います。
TOMIXに続いて、KATOの209系500番台も今後取り上げる予定ですのでお楽しみに!