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TOMIX vs KATO!209系500番台を比較~Nゲージで再現するワイドボディ通勤型電車

通勤型電車として京浜東北線では少数派ながらもワイドボディで強い存在感を放っていた209系500番台。その特徴的な姿は、TOMIXとKATOの両社からNゲージで製品化されており、現在も多くのファンに支持されています。
両製品は同じ形式をモデル化しているにもかかわらず、造形や仕様、遊びやすさには違いがあり、どちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、TOMIX製とKATO製、それぞれの209系500番台(京浜東北線仕様)について、仕様や外観・付属品などの視点から比較していきます。
現在、入手しにくい製品ですが他線区の209系500番台の購入を検討している方にも参考になる内容をお届けしたいと思います。

209系500比較

まずは基本をチェック!両社製209系500番台のラインナップ紹介

まずは、TOMIXとKATOからそれぞれ製品化された209系500番台(京浜東北線仕様)のラインナップと基本的な情報を確認しておきましょう。それぞれの個別のレビューもあるのでそちらも参考にしてください。

TOMIX製209系500番台(京浜東北線)

基本セット(4両)+増結セット(3両)+単品3両(サハ209-500)で10両編成を再現、のちに限定で10両セットも発売しています。

KATO製209系500番台(京浜東北線)

基本セット(6両)+増結セット(4両)で10両編成を再現

外観・性能・パーツの違いは?KATOとTOMIXの209系500番台の比較解説

209系500 前面比較
写真左がTOMIX、右がKATO

まずは先頭車の前面です。KATOの方はサスペンション機構のため車高が高く、スカートが低めになっているからか、すこし間延びしたように見えます。そういう方向でみるとTOMIXのほうが前面形状は実車に近いように感じます。
前面の白枠はTOMIXは真っ白に対してKATOは少しくすんだ色になっています。またこの製品では再現されていませんがこの後に発売された209系500番台からは前面下部のホーム検知装置が再現されるようになっています。
KATOは運転台後ろの窓が再現されています。これは室内灯を入れた時に目立ってよいですね。
アンテナについてはKATOのものは少し大きめになっています。
前面の行先表示はいずれもステッカーで選択できるようになっていますがTOMIXの最新製品の京葉線仕様では差し替えパーツでの表現になっています。
もう一つ気になったのがコンソールの形状、直方体形状のKATOに対して上部が湾曲しているTOMIX、実車写真を見るとKATOのほうが正しく見えます。TOMIXは何かの製品の流用でしょうか?

209系500 側面比較
写真上がTOMIX(インレタ貼り付け済)、下がKATO

側面も見てみましょう。まずは基本的な仕様としてKATOはJRマーク・車番・号車番号などすべてが印刷済みなのに対してTOMIXはJRマーク以外の表記は付属のインレタを貼り付ける必要があります。この辺りは好みが分かれるところです。
側面の銀塗装はKATOは2色、TOMIXは単色で両社ともドア枠や乗務員扉はホットスタンプでピカピカの銀色になっています。側面窓は改造される前の大窓が再現されています。
アンテナの位置が少し違いますね。TOMIXの最新製品ではこの位置が変わるそうなのでこの製品においてはKATOのほうが正しいみたいですね。
床下機器もTOMIXの方はATC装置の機器箱がないようです。これも流用でしょうかね?

TOMIXのクーラーは横のビードが省略されています。これは209系0番台からの流用で昔からこの状態でしたが最新の京葉線仕様ではこの表現が追加されています。
パンタグラフはKATOはグレー成型、TOMIXは白に近い成型色です。またTOMIX製は避雷器が別パーツになっています。比べるとサイズ感や形状がだいぶ違います。実車と同寸で縮小すると強度に問題ありそうですからここはメーカーの特徴が出てそうですね。

209系500 車高比較
写真左がTOMIX、右がKATO

KATOは集電用のばねを利用して台車にサスペンション機構を備えています。集電の安定化に寄与するのですが車高が少し高くなるのと台車とボディの間に隙間ができるのでここは好みが分かれるところですね。

209系500 連結器比較
写真左がTOMIX、右がKATO

カプラーはKATOはボディマウント式KATOカプラー、TOMIXは台車にアーノルドカプラーが標準装備となっています。TOMIXは別売りのボディマウント式TNカプラーに交換することができるようになっています。ボディマウント式のほうが連結面の間隔や見た目が向上するので交換するのもありだと思います。

TOMIXとKATO、どちらの209系500番台を選ぶ?まとめと今後の参考に

KATOとTOMIX、それぞれの209系500番台(京浜東北線仕様)を比較してみましたが、同じ形式でありながらも、細部の造形の違いや基本的な仕様の違いなどメーカーの考え方が良く見えてきたと思います。
どちらも京浜東北線に実在した少数派の車両を模型として再現しており、Nゲージファンにとっては魅力的なアイテムといえるでしょう。

現在は両社ともこの京浜東北線仕様の再販は行っておらず、入手は難しくなっていますが、209系500番台は京葉線・武蔵野線・八高線・川越線仕様など、他線区バージョンでの製品化も進んでいます。
今回の比較記事が、そうした他線区モデルを検討する際の判断材料になれば幸いです。

今後、両社製品の特徴や傾向をふまえた上で、あなたの好みに合った209系を選んでみてはいかがでしょうか。

関連項目

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