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KATO 東武8000系 レビュー ― 仕様差・編成再現を解説

KATO東武鉄道8000系

以前、KATOから発売されている東武鉄道8000系についてレビューを行いましたが、改めて見てみると、当時は触れていなかった細かな仕様や特徴もいくつか見えてきました。
新たに6両編成の発売が決まった今、旧製品をあらためて振り返りながら、実車における編成や仕様の差異が模型にどのように反映されているのかを確認してみたいと思います

今も活躍を続ける東武鉄道8000系

東武鉄道8000系

東武鉄道8000系は、1963年から製造が始まった通勤形車両です。
約20年間にわたって増備が続けられ、私鉄の同一形式としては最大となる712両が製造されました。
その後は代替が進み、現在では数を年々減らしていますが、野田線(東武アーバンパークライン)をはじめ、4両・3両編成のワンマン車として、越生線や東上線小川町~寄居間、伊勢崎線館林~伊勢崎間、佐野線・小泉線などで活躍を続けています。

KATO製 東武8000系 これまでのラインナップ

KATOでは、東武鉄道8000系をこれまでに2回製品化しています。ここでは、それぞれのラインナップと編成の違いを見ていきます。

初回生産品(4両編成・2両編成)

品番品名価格
10-1647東武鉄道8000系(更新車) 4両基本セット¥18,700
10-1648東武鉄道8000系(更新車) 4両増結セット¥13,420
10-1649東武鉄道8000系(更新車) 先頭車2両増結セット¥7,700

最初の生産では、4両編成と2両編成が製品化されました。いずれも2次車で、中期修繕車にあたる仕様です。
これらを組み合わせることで、4両編成から最大10両編成まで再現することができ、伊勢崎線・東上線・野田線など、東武線の多くの路線で見られた風景を再現できます。
なお、2両編成にはモーター車の設定がないため、単独で走行させることはできません。

2回目の生産品(8両編成・2両編成)

品番品名価格
10-1650東武鉄道8000系(後期更新車) 東上線 8両セット¥29,480
10-1651東武鉄道8000系(後期更新車) 東上線 先頭車2両増結セット¥7,700

2度目の生産では、8両編成と2両編成が製品化されました。8両編成は9次車、2両編成は3次車にあたります。
8両編成は初回生産品とは台車が異なります。また、いずれも後期修繕車にあたるため、ヘッドライトはHID化され、行先表示器もLEDとなるなど、外観上の違いが見られます。
これらの編成はいずれも東上線を意識した仕様ですが、2両編成の車両は同形態で伊勢崎線でも運用されていたため、初回生産品と組み合わせて編成を組むことも可能です。

KATO東武8000系のディテール~編成ごとの仕様差を読み解く

それでは各編成のディテールを見ていきましょう。

初回生産品(4両編成・2両編成)

クハ8100

クハ8100です。側面窓はこの2次車から角にRがなくなりました。また1992年以降に修繕された車両は乗務員扉に取っ手が付いています。また客用のドアにはアルミの縁がありますが11次車以降はこれがなくなりすっきりしていますがKATOではこのタイプは生産されていません。

クハ8100 前面拡大

前面は更新車なのでブラックフェイスの角型のヘッドライト、行先表示は幕式になっています。また別パーツのジャンパー栓がとてもかっこいいです。ただスカートは連結を考慮しているため2部品となっており支柱とスカート本体に分割ラインが入ってしまうのはちょっと残念です。

東武鉄道8000系ヘッドライト・テールライト

ヘッドライト・テールライトです。明るく点灯しています。行先方向幕も点灯します。

東武鉄道8000系FS356台車

台車はFS356/056となっています。

モハ8200

モハ8200です。模型においては4両基本セットで動力車となっています。もともとはなかった貫通扉が増設されたのでそれも再現されています。

東武鉄道8000系パンタグラフ

パンタグラフが2基、搭載されています。もともとはひし形でしたが冷房化の際に省スペースの下枠交差型パンタグラフに換装されています。

モハ8300

モハ8300です。東武8000系の編成においてはこの車両と後述するクハ8600の2つの床下機器に差異が多いです。1つはMG、もう1つはコンプレッサーです。

モハ8300サイドビュー

4両基本セット・4両増結セットにおいてはMGがCLG-350D、コンプレッサーがC-2000Nとなっています。MGは冷房化の際に載せ替えられたものです。基本的には初期から中期の4両編成・6両編成に多い構成です。

クハ8400

クハ8400です。前面には幌が付いています。幌の縁には塗装が施されており締まった印象を与えていてとてもかっこいいです。

モハ8500

モハ8500です。2両編成の先頭車の片割れです。パンタグラフを1基、搭載しています。

クハ8600

クハ8600です。やはり2両編成の先頭車です。クハ8400同様に幌が付いています。

クハ8600サイドビュー

こちらはMGがCLG-703、コンプレッサーがHB-2000Cとなっています。MGは後期に製造された車両に多いものになりますが2両編成も載せ替えられた時期が遅かった編成に多く搭載されてます。コンプレッサーも後期の車両に多いものになっていますがこの編成においては載せ替えられたものとなっています。

東武鉄道8000系 付属品

付属品はスカート周りのパーツ、ジャンパー栓、行先方向幕用の予備の台座、オンオフスイッチ用のドライバーです。

東武鉄道8000系 ステッカー

本製品には行先表示などのステッカーが付属します。ただし収録内容は比較的シンプルで、種類は多くありません。
より多くの行先を再現したい場合は、KATOから発売されているグレードアップパーツ付属のステッカーを使用すると選択肢が広がります。詳細はオプションパーツの章で解説します。

2回目の生産品(8両編成・2両編成)

では次に2回目に生産された8両編成と2両編成を見ていきますがこちらは初回品との違いを中心にみていきます。

後期修繕車なのでヘッドライトはHID、行先表示はLED式になっています。また、客室用のベンチレーターは撤去されています。

東武鉄道8000系FS396台車

台車は8次車以降の編成ではFS396/096に変更となっています。8両編成がこれに該当します。

他の8両編成の修繕された8000系は2両目のモハ8200と7両目のモハ8300に貫通扉が増設されていますがこの編成だけは増設されませんでした。そこも再現されています。ただ8両編成の更新車では8181Fのみがこの仕様となっています。

モハ8300サイドビュー2

モハ8300のMGはCLG-350D、コンプレッサーがHB-2000Cとなっています。7次車~11次車までの4両以上の編成では標準的な機器になっています。

サハ8900です。8両編成にのみ存在する形式です。2両連結されていますが1両目と2両目では床下機器に少し違いがあります。またこの車両は新造時から貫通扉が付いています。

モハ8500_2

モハ8500です。後期修繕車なので8両編成と同様にヘッドライトはHID、行先表示はLED式となります。台車は3次車なのでFS356/056となっています。このモハ8500は従来とは反対側にジャンパー栓の台座が増設されていますがそれも再現されています。

モハ8500サイドビュー2

モハ8600のMGはCLG-355D、コンプレッサーはHS-20Cとなります。このコンプレッサーを搭載している車両は2両編成に見られますがあまり多くないです。

製品仕様から見る再現可能編成

ここでは、発売された製品仕様をもとに再現可能な実車編成を整理してみました。

東武鉄道8000系再現可能編成一覧表1

まず初回生産の4両編成・2両編成です。
基本的には車番変更のみで複数の編成が再現可能です。さらにベンチレーターを撤去すれば、4両編成は8152F・8153Fが、2両編成は8538Fが再現可能です。

東武鉄道8000系再現可能編成一覧表2

続いて2回目生産の8両編成・2両編成です。
2両編成については車番変更により複数編成が再現可能です。
一方で8両編成は、前項でも触れた貫通扉増設の有無により、実質的に特定編成に対応した仕様となっています。貫通扉の差異を考慮しなければ、修繕車の8両編成として広く見立てることが可能です。

路線別に見る編成パターン

東武鉄道8000系編成表1

伊勢崎線・日光線では6両編成が基本でした。
朝ラッシュ時にはこの6両編成に2両編成または4両編成を増結し、8両編成や10両編成で運用される姿が見られました。4両編成を2本連結した8両編成も存在します。
また、2両編成のみで構成された8両編成・10両編成も存在しましたが、今回の製品構成では再現できません。

東武鉄道8000系編成表2

東上線では8両編成・10両編成が基本となっていました。通常は2両編成のみでの組成はありませんが、一時的に8両編成が2両編成のみで構成された例も確認されています。

東武鉄道8000系編成表3

野田線は終始6両編成での運用でした。

対応オプションパーツ紹介

純正室内灯

本製品のオプションは室内灯です。KATO製室内灯ユニットに対応しており、取り付けることで夜間走行時や停車中の雰囲気をよりリアルに楽しむことができます。

品番品名価格メーカー
11-211LED室内灯クリア¥792KATO
11-212LED室内灯クリア 6両分入¥3,960KATO

取り付け方は以下のリンクを参照してください。

ポポンデッタ製室内灯

品番品名価格メーカー
1528LED室内灯(エネルギーチャージャー付) 白色 Cタイプ 1本入り¥850ポポンデッタ
1529LED室内灯(エネルギーチャージャー付) 白色 Cタイプ 7本入り¥5,600ポポンデッタ

純正品以外の選択肢として、ポポンデッタ製の室内灯もお勧めです。
明るさが安定しており、編成全体の見栄えを整えやすいのが特徴です。また純正品より取り付けが簡単です。
取り付け方法や明るさについては、別記事で詳しく紹介していますので、気になる方はそちらをご覧ください。

グレードアップパーツ

東武鉄道8000系 グレードアップパーツ

また別売りのオプションパーツでは製品付属のステッカーとは別の行先に設定したり、転写シートを使用して別の車番に変更できるようになっています。(写真はグレードアップシール1)グレードアップパーツ2では比較的最近取り付けられた東武のロゴや車外スピーカーのインレタが収録されています。

品番品名価格
28-242-1東武鉄道8000系 グレードアップシール1 (更新車・幕式表示)¥2,420
28-242-2東武鉄道8000系 グレードアップシール2 (東上線更新車・LED表示)¥2,420

KATO東武8000系を振り返って

東武鉄道8000系

実車の東武8000系は製造期間が長く、さらに修繕工事も行われたため、形態差の多い系列として知られています。そのため、ここまで仕様差を作り分けた製品化は難しいのではないかと思っていました。

しかし、今回KATOから製品化された8000系は、細かな形態差まで丁寧に再現されており、その完成度には驚かされました。

さらに今後は6両編成の製品化も予定されており、展開が非常に楽しみです。

形態差の多い系列だからこそ、次回は仕様差に注目しながら実在編成を再現していく記事も制作できればと思っています。公開時期は未定ですが、気長にお待ちいただければ幸いです。

それでは、皆さまも素敵な模型ライフをお楽しみください。

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以前の東武8000系のレビューはこちら
2026年3月生産予定の東武8000系の記事はこちら

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