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KATO東武8000系の新展開を読む~6両編成の魅力と過去製品との違いを解説~

先日、KATOから待望の東武8000系の新たなラインナップが発表されました。今回はこの製品の特長や遊び方、また今後の考えられる展開などを考察したいと思います。

東武鉄道8000系とは

東武鉄道8000系8163Fアーバンパークライン

東武鉄道8000系は1963年に登場した通勤型電車です。20年間にわたり製造が続けられその両数は私鉄最多の712両に及びます。東武線ならどこでも走っていた車両ですが近年はその両数を大幅に減らしていて東武野田線(アーバンパークライン)とワンマン線区(東上線小川町以北・越生線・伊勢崎線館林以北・佐野線・小泉線など)に残るのみとなりました。製造期間が長く、最初は2両と4両だった編成も途中から6両や8両の編成が登場したりしているので形態が細かく分類されています。また更新車においても時期により仕様が異なるので前項の分類も合わせるとさらに細かく分かれることになります。今回は模型においてどの分類に属するのかも見ていきたいと思います。

これまでのKATOの東武8000系ラインナップと特徴

これまでにKATOでは2度、東武8000系を製品化しているのでそれぞれどんな仕様だったかを見ていきます。

東武鉄道8000系(更新車)

最初の製品化はこの製品です。4両基本セット・4両増結セット・2両増結セットが発売されました。モデルになった編成は本線に所属する車両でしたが東上線、野田線にも同じ形態の編成が存在したので8000系としてはオールマイティなチョイスだったと思います。各々の線区を再現するためのステッカー・転写シートも合わせて発売されました。

形態としては更新車で角型シールドビームライトの前面デザイン、方向幕、ベンチレータがありとなっていました。また台車はFS356/056となっていました。

もちろんこの製品が発売されること自体に感動したのですが特によかったなと思ったのは前面の幌。印刷入りの幌付きの前面のカッコよさは何とも言えないものでした。

東武鉄道8000系(後期更新車) 東上線

次に製品化されたのはこちらとなります。この製品は8両編成と2両編成で東上線に特化したモデルとなっています。8両編成は東上線のみで運用されていました。2両編成もモデルこそ東上線となっていますがこちらは本線でも野田線でも見られたタイプで先に発売された4両セットとの連結も楽しめる車両でした。説明書には8両のうち4両を抜き取ってワンマン運転や野田線をイメージした編成ができるとなっていましたが4両を余らせることに…。これらが再現できるステッカーや転写シートも前回と同様に発売されています。

この編成も形態は更新車なのですがヘッドライトがHIDになっていますので前回品とは少し趣が変わっています。また行先表示機はLED式に、客室用のベンチレータは撤去されています。また、台車について2両編成は従来通りのFS356/056ですが8両編成はFS396/096になっています。

上記の製品は以前に紹介しているので以下のリンクも参考にしてください。また、もう少し詳しいレビューも作りたいと思っているのでそちらは少々お待ちください。

新たに製品化される東武8000系のラインナップと特徴、遊び方

それでは今回製品化される8000系について見ていきましょう。

品番品名価格
10-1653東武鉄道8000型(後期更新車) 東武アーバンパークライン 6両セット予¥26,840
10-1654東武鉄道8000型(更新車) 東上線/野田線 6両セット予¥26,840

2種類でいずれも6両編成となります。以下に各製品の特長をまとめます。

東武鉄道8000系8163F東上線

1つは8163Fがモデルで中期更新車でヘッドライトは角型シールドビーム、方向幕でベンチレータは撤去されています。台車はFS356/056です。野田線・東上線と銘打ってますが8463は幌が付いています。この形態での野田線での活躍はごく短期間なので東上線仕様と言って差し支えないと思います。以前の製品の4両編成や2両編成とつなげて東上線の10両編成や8両編成を再現できます。

東武鉄道8000系8172Fアーバンパークライン
写真AC掲載中

もう一つは8172Fがモデルで後期更新車でヘッドライトはHIDでLEDの行先表示機を備えています。ベンチレータはやはり撤去されています。台車はFS396/096となり前項の車両と異なります。またアーバンパークラインに特化した仕様のため、ロゴの印刷があり、8472の幌を撤去された形状が再現されるとのこと、この辺りは賛否両論ありそうです。

両製品に共通する今回の製品化での最大の特徴は中間車2両が新たに製品化されることです。特に8800はパンタグラフ1基が特徴です。これが製品化されることにより8000系の2両・4両・6両・8両のすべてに対応できるようになったことを意味します。

ここで何か遊ぶ方法はないかと考えてみることにします。8000系の台車は8167F以降に製造された車両はFS396/096、それ以前はFS356/056となっています。更新については必ずしも番号通りに行われているわけではないのでこの2製品の床板を変えたらどうなるか調べてみたらほかの編成も再現できそうです。組み替えた時にどの編成が再現できるのかを以下の表にまとめました。またそのままの組み合わせで再現できる編成も合わせて掲載します。

KATO 東武鉄道8000系 組み換え表

以上のように再現ができるのですが少し問題もあります。今回、前者の製品は東上線、後者の製品はアーバンパークラインをモデルにしているのでお互いを逆の線区や野田線のロゴなし時代を再現しようとすると幌がなかったり、あるいはロゴが邪魔になったりということになります。幌は接着剤などで取り付ければなんとかなりそうですがロゴを消すのや幌の撤去はなかなか…。あとは今回は転写シートの発売がないのでどこからか調達する必要があります。

ここで紹介した製品は発売後に改めてレビューしたいと思います。

ホビーセンターカトーから発売される東武8000系の特徴

最後にホビーセンタカトーから発売される2製品についても触れたいと思います。この製品は塗装が特徴的で1つはセイジクリーム、もう一つはぶどう1号となっています。実車は最終増備車のグループでドア窓の支持タイプが違うため外観が違います。また床下機器もこれまで製品化されたものとは異なります。今回の製品においてはアーバンパークライン仕様の金型を流用するらしくこの辺りは再現されないほか、復刻塗装特有の前面ヘッドマークのサボ受、ワンマン車の先頭車真ん中の窓のワイパーも再現されません。なので雰囲気重視のモデルとなっていますので興味のある方は注意が必要です。

今後の展開について考える

KATO東武8000系の新たな展開で私がよく利用していた野田線(アーバンパークライン)仕様が登場することには驚かされたが大変うれしいことである。今から発売が楽しみでならないがここで考えたいのは今後の展開についてである。

鉄道模型のラインナップにも流れがあり、ここでこのラインナップが来たということで真っ先に考えたのは原型顔の更新車である。唯一残っている編成は現在、リバイバルカラーでアーバンパークラインを走っている。また、東上線や東武本線にも在籍していたことを考えると製品化の確率が高いのではないかと考えます。

東武鉄道8000系8101F野田線

さらに期待したいのは6両編成の初期更新車である。側窓の違いや中間車に先頭車からの改造車か新造車が含まれるなど、どの編成をモデルにするか迷うところではあるが原型顔の更新車が発売されれば道が開けると思います。

東武鉄道8000系81113Fアーバンパークライン
写真AC掲載中

後期製造車はドア窓の支持形状が違うためこれも製品化されるとうれしいがこちらは今回のホビーセンターカトー色違い8000系を見る限り望みは薄いのかなと思われます。

また、アーバンパークラインの車両が製品化ということなので同線を走る10030系や60000系、また新型の80000系の製品化も期待したいと思います。

野田線(アーバンパークライン)のことをもっと詳しく

以前に野田線の車両について紹介しているので以下のリンクも合わせて参照ください。

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