長らく生産が途絶えていたKATOの初期製造グループのE231系1000番台が、ついに最新仕様で帰ってきました。宇都宮線・高崎線だけでなく上野東京ラインや湘南新宿ライン経由で東海道線・横須賀線まで足を伸ばす万能車両。今回は旧製品との違いを中心に、模型と実車の魅力を余すところなく解説します。

目次
近郊型標準車両としてのE231系1000番台
E231系1000番台は2001年に登場した近郊型の標準車両です。209系やE217系の流れを汲んだ設計で、通勤・近郊型の仕様統一を一層進め拡幅車体を採用しています。セミクロスシートやトイレ、グリーン車といった近郊運用向け設備を搭載し、登場当初は宇都宮線・高崎線に、後に東海道線にも投入されました。
現在は上野東京ラインや湘南新宿ライン経由で宇都宮線・高崎線・東海道線・横須賀線へ直通し、関東一円で日常的に活躍する姿が見られます。

KATO製E231系1000番台の製品構成と編成パターン
KATO製品では以下のような構成でラインナップされています。
品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
10-2002 | E231系1000番台(小山車両センター) 5両付属編成セット | ¥20,460 | KATO |
10-2001 | E231系1000番台(小山車両センター) 10両セット | ¥36,300 | KATO |

東海道線仕様では以下のような構成でラインナップされています。
品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
10-1784 | E231系1000番台東海道線(更新車) 基本セット(4両) | ¥15,620 | KATO |
10-1785 | E231系1000番台東海道線 (更新車) 増結セットA(4両) | ¥12,980 | KATO |
10-1786 | E231系1000番台東海道線 (更新車) 増結セットB(2両) | ¥5,170 | KATO |
10-1787 | E231系1000番台 東海道線 付属編成セット(5両) | ¥20,460 | KATO |

新旧問わず、E233系3000番台やE231系東海道線との併結も可能ですが、モーター仕様が異なる場合は協調運転に注意が必要です。また、連結器の仕様が異なり旧製品はフック付きカプラー、新製品はフックなしカプラーとなっているため、併結にはカプラー交換が必要になります。なお、今回の記事で使用している初期生産品(10-470~473)はすでに生産終了しており、現在は中古市場での入手となります。
模型で再現されたE231系1000番台の特徴と進化
特徴ある車両をピックアップ!E231系1000番台 模型ディテールガイド
写真は旧製品です。



クハE230-8000(1号車)は先頭車で、ダミーカプラーを装備し、トイレやセミクロスシートを備えています。帯や乗務員扉の緑はきれいに印刷されています。ドア開閉スイッチはモールドで再現されています。

モハE230-3500(2号車)はセミクロスシート仕様の動力車です。


モハE231-1500(3号車)はロングシートの動力車でシングルアームパンタグラフを搭載しています。10両編成ではこの車両にスロットレスモーターが搭載され、静音性が高く再現性にも優れています。

サロE230-1000(4号車)は2階建てグリーン車で、業務室・乗務員室が設置されています。

サロE231-1000(5号車)も2階建てグリーン車で、トイレを設置されています。

サハE231-6000(6号車)はトイレ付きのロングシート付随車です。


クハE231-6000(10号車)は先頭車で、運転台側に連結に対応したカプラーを備え、E231系やE233系の5両編成と併結ができます。

登場当初は4・5号車もロングシート付随車のサハE231-1000でした。この2両はグリーン車が連結されたときに東海道線用のE231系の6・7号車に組み込まれました。
旧製品とここが違う!E231系1000番台 最新仕様の変更点
旧製品では小型スカートだったものが、今回の製品では実車に合わせて大型スカートに変更されています。
DCCフレンドリー対応となっており、床下にはデコーダーが取り付けられるようにふたが設けられています。

前面印刷だった黒帯は別パーツとなりすっきりとした仕上がりに進化しています。写真は同様の構造をした209系500番台との比較です。
運転台側のカプラーはフックなしの新型に変更されており、旧製品を併結するには交換が必要です。
東海道線仕様のE231系1000番台はここが違う!
東海道線仕様では車外スピーカー準備工事のふたによって幕帯が分割されており、宇都宮線仕様のような連続帯とは異なります。
10両編成のトイレの配置に違いがあり、初期製造グループでは1・5・6号車に設置されているのに対し、東海道線仕様では1・5・10号車となっています。
セミクロスシートの配置位置も異なり、初期製造グループでは1・2号車、東海道線仕様では1・2号車に加え9・10号車にも設定されています。
冷房装置が強化され外観が大型になっています。なお6・7号車は初期製造グループのサハE231-1000が組み込まれているので小型のものが搭載されています。
東海道線仕様においては5両編成が機器更新前の姿となっておりモハE231・モハE230の床下機器の配置が異なります。
E231系1000番台を彩るLED室内灯
E231系1000番台の模型をさらにリアルに楽しむためには、室内灯の取り付けが非常におすすめです。装着することで、夜景走行や駅停車中の雰囲気を一層引き立てることができます。対応製品は以下の通りです。
品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
11-211 | LED室内灯クリア | ¥792 | KATO |
11-212 | LED室内灯クリア 6両分入 | ¥3,960 | KATO |
E231系1000番台と共に楽しむ首都圏の鉄道情景

E231系1000番台はKATOの模型でも屈指の実用性と再現度を持ち、首都圏の鉄道情景を再現するには欠かせない存在です。旧製品との比較や東海道線仕様との違いを把握することで、より深い模型ライフを楽しむことができます。さらに、同様にKATOから展開されているE233系3000番台とも併結可能で、上野東京ラインや湘南新宿ラインのリアルな運用再現にも最適です。E233系については今後の特集記事でも取り上げる予定ですので、あわせてご期待ください。ぜひこの機会に揃えてみてはいかがでしょうか。