JR東日本が発足して初めて開発した通勤型電車である209系は、その革新的な設計と特徴的なデザインで大きな注目を集めました。軽量化やコスト削減など新たなコンセプトをもとに開発され、現在のJR東日本の標準車両の礎を築いた209系。今回はTOMIXから発売されている209系京浜東北線の鉄道模型を詳しく見ていきます。
目次
209系とは
209系は1993年に登場し、JR東日本の新時代を象徴する車両となりました。試作車として901系が3編成製造され、それぞれ異なる仕様で試験が行われた後、量産車の209系が誕生しました。
「重量半分・価格半分・寿命半分」というコンセプトのもと、動力車比率の見直し、車両仕様の製造メーカーごとの裁量を許容する設計、減価償却期間の短縮などが採用されました。ただし、このコンセプトは後に見直され、現在は変更されています。例えば、動力車比率は機器の二重化により元に戻され、209系自体も更新を受けて現在も一部が運行を続けています。
1995年には6ドア車が登場し、既存の編成にも組み込まれました。1998年には京浜東北線の103系・205系をすべて置き換え、209系が京浜東北線の主力車両となりました。その後、デジタルATCの搭載や側窓の開閉改造が施され、2007年から後継のE233系1000番台への置き換えが始まりました。2010年には京浜東北線から姿を消しましたが、現在も房総半島などで活躍を続けています。
ラインナップ・編成
TOMIXの209系京浜東北線は、以下の2種類の品番で販売されています。
| 品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
| 98432 | JR 209-0系通勤電車(後期型・京浜東北線)基本セット | ￥16,720 | TOMIX |
| 98433 | JR 209-0系通勤電車(後期型・京浜東北線)増結セット | ￥16,060 | TOMIX |
これらを揃えることで、実車と同じ10両編成を再現することが可能です。
ディテール
今回は旧製品をベースに現行仕様を交えて解説します。
クハ209（10号車・大宮方先頭車）
JRマークや車番は印刷済みで、側面の窓は開閉可能な改造後の仕様となっています。
ヘッドライトとテールライトはしっかり点灯します。方向幕も点灯しますが、やや見えにくい部分もあります。実車では先頭車の下部にホーム検知装置が取り付けられていますが、現行製品ではこれが再現されています。
サハ209（付随車）
動力のない車両で、209系では動力車比率の低下により3両（9号車・5号車・4号車）連結されています（もともとは4両連結されていたが6号車は6ドア車に交換された）。
モハ209（動力車）
8号車・3号車に配置され、パンタグラフを搭載。パンタグラフは従来よりも小型化されています。避雷器は別パーツで選択式です。実車ではカバーなしで登場しましたが途中からカバーが付いています。カバーなしだった車両ものちに取り付けられました。
モハ208（動力車）
7号車・2号車に配置され、モハ209とペアを組みます。
サハ208（6ドア車）
6号車に組み込まれた6ドア車で、混雑緩和のために導入されました。
クハ208（1号車・大船方先頭車）
メーカー裁量の影響が見られる部分で、川崎重工製はビード付き、東急車両製・新津車両製作所製はビードなしとなっています。この模型では6ドア車が新津車両製作所製、その他の車両が川崎重工製となっていますが現行製品はすべて新津車両製作所製になっています。
付属品として前面の方向幕と避雷器が付いています。
オプションパーツ
TOMIXの209系京浜東北線模型には、リアルな表現を楽しむためのオプションパーツがいくつか用意されています。以下では、それぞれのオプションパーツについて詳しく紹介します。
| 品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
| 0733 | 室内照明ユニットLC（白色LED） | ¥968 | TOMIX |
| 0737 | 室内照明ユニットLCセット（白色LED・6本入） | ¥5,500 | TOMIX |
| 0336 | 密連形TNカプラー（SP・黒・6個入） | ¥1,650 | TOMIX |
| PG6511 | 窓ガラス（209-0系クハ用・窓サンなし） | ￥550 | TOMIX |
| PG6512 | 窓ガラス（209-0系中間車用・窓サンなし） | ￥ 440 | TOMIX |
室内灯
室内灯オプションは、車両内の照明を再現するためのアイテムです。これを取り付けることで、夜間走行シーンなどでさらにリアルな雰囲気を楽しむことができます。車両の内部が明るく照らされ、模型のディテールが引き立つため、より臨場感のある走行を体験できます。取り付けは以下のリンクを参照してください。
TNカプラー
TNカプラーは、模型の連結部分に使われるオプションパーツです。リアルな見た目を追求したカプラーで、標準のカプラーに比べて連結部分がより精密に仕上がります。車両同士の連結がリアルに見えるため、実物さながらの雰囲気を楽しむことができます。取り付けは以下のリンクを参照してください。
窓パーツ
窓パーツは、開閉式の窓を固定式に変更できるアイテムです。これにより、車両の窓の状態を好みに合わせてカスタマイズできます。開閉式の窓が再現できる仕様を、固定式に変更することが可能で、好みの外観に仕上げることができます。
まとめ
209系は、新世代の通勤型電車として開発され、現在のJR東日本の標準車両の礎を築きました。TOMIXでは登場時からこの車両を模型化しており、仕様の変化に合わせたアップデートが行われています。
京浜東北線からは引退して久しい209系ですが、模型の生産も一昔前と比べると減少している印象があります。もし再販される機会があれば、ぜひ手に取ってみてください。
