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KATOの振り子機構で楽しむ883系〈ソニック〉リニューアル車883系ソニック

今回は、KATOから発売されている883系を紹介します。
特急「ソニック」に使用される883系は、登場から30年を迎えましたが、現在も第一線で活躍を続けている車両です。模型においても、その個性的なデザインや走行シーンは健在で、KATO独自の振り子機構が搭載されている点も大きな特長といえるでしょう。
本記事では、リニューアル車の中でも少し変わった編成に注目し、その特徴や模型としての魅力を紹介していきます。

KATO 883系ソニック リニューアル車

日豊本線を駆け抜ける振り子特急・883系

883系は1995年に登場した、ステンレス車体を採用した特急形電車です。
博多〜小倉を経由し日豊本線を走る特急「にちりん」のうち、大分まで運転される列車に、新たに「ソニック」という名称を与えて投入されました。

車両デザインは、787系「つばめ」と同様に水戸岡鋭治氏のドーンデザインが手がけており、登場当初から個性的な外観が大きな話題となりました。
883系の最大の特徴は、何といっても振り子機構の採用です。カーブの多い日豊本線においても高速で走行することが可能となり、従来より所要時間を約20分短縮しています。

また、増備された年度ごとに先頭車前面のパネルデザインに変化を持たせており、編成ごとに異なる表情を楽しめる点も特徴のひとつです。

2005年からリニューアル工事が行われ、現在のデザインへと変更されました。さらに2008年には、5両編成を7両編成とするため、中間車2両が新製され、現在の編成形態が整えられています。

883系ソニック

KATO 883系リニューアル車のラインナップ

品番品名価格
10-1798883系 「ソニック」 リニューアル車 (AO-3編成) 7両セット¥23,100
10-1475883系「ソニック」 リニューアル車(3次車) 7両セット¥22,330
10-288883系「ソニック」 リニューアル車 7両セット¥21,670
883系リニューアル車 編成表

KATOからは、883系リニューアル車として複数の編成が製品化されています。
現在のラインナップでは、2次車(AO-3編成)の7両編成、3次車の7両編成、そして中間車を増結した4次車の7両編成が用意されています。

883系は、1次車から3次車までのグループと、4次車とで編成の一部に差異があります。これは、4次車では中間車2両が後年に新製され、既存編成に増結されたためです。
これらの差異については、次章で模型を見ながら詳しく紹介していきます。

増結車を含む振り子特急883系のディテールを見ていく

今回は4次車でリニューアルが行われた編成(10-288)を見ていきます。

クロハ882

クロハ882です。半室グリーン車です。先頭車の独特のデザインが再現されています。

フロントのパネルは製造年度によって異なっておりこの車両はソニックのSマークになっています。前面下にはバンパーがついています。また連結器にもカバーのような装飾があります。

メタリックブルーの塗装に独特のレタリングがバッチリ決まっています。

サハ883-200です。普通車です。モーター車ではないのですがシングルアームパンタグラフが搭載されています。

モハ883-200

モハ883-200です。モーター車です。模型においては動力車となります。

モハ883-1000です。後年に製造され増結された車両です。この車両は885系をベースに製造されているためアルミ車体となっています。見た目もビードが入っている従来の883系とは大きく異なっています。また走行機器も885系ベースのため床下機器も885系に準じたものになっています。この車両にはシングルアームパンタグラフが搭載されていますが883系のパンタグラフ周りとは一部の機器配置が異なります。

サハ883-1000

サハ883-1000です。こちらも増備編成となっているので885系ベースです。こちらは他のサハとは違いパンタグラフがありません。

サハ883

サハ883です。乗務員室が設けられているためサハ883-200とは外観が異なります。こちらもシングルアームパンタグラフが搭載されています。

クモハ883

クモハ883です。先頭車でモーター車となっています。

クロハ882もそうですが実車の屋根上にカバーが追加されており、これも再現されています。

883系 ヘッドライト・テールライト

ヘッドライト・フォグランプ・テールライトがきれいに点灯します。またライト部にはカバーが付くようになりました。これはカバーのないリニューアル前の編成の初期製品にも取り付けることが可能です。

883系 振り子機構

KATO独自の振り子機構も健在です。

付属品はバンパー・連結器カバーとアンテナです。行先表示のステッカーもついています。

室内灯で引き立つ883系

本製品のオプションは室内灯です。KATO製室内灯ユニットに対応しており、取り付けることで夜間走行や停車中の雰囲気をよりリアルに楽しむことができます。

品番品名価格メーカー
11-211LED室内灯クリア¥792KATO
11-212LED室内灯クリア 6両分入¥3,960KATO

取り付け方は以下のリンクを参照してください。

883系と並走する多彩な列車たち

まず挙げられるのは、同じ特急形車両である787系と885系でしょう。いずれも883系と同じく九州を代表する特急車両で、本ブログではすでにレビュー記事を掲載していますので、あわせてご覧いただければと思います。

次に、普通列車や快速列車として活躍してきた415系、811系、813系、817系などが挙げられます。これらの車両は、883系「ソニック」と同じ線区を走行しており、並走シーンを再現するうえで欠かせない存在です。

現在では見ることができなくなりましたが、かつては寝台特急とも並走していました。興味深いのは、寝台列車が883系「ソニック」に追い抜かれるため、途中駅で待避を行っていた点です。模型でも当時のダイヤを意識した運転を楽しむことができます。

さらに、貨物列車とのすれ違いも九州らしい光景のひとつです。九州内ではEF81形やED76形が多く見られましたが、近年ではEF510形が運用に入る姿も見られるようになっています。特急から貨物列車まで、多彩な列車との並走シーンを楽しめる点も883系の魅力といえるでしょう

バリエーション展開にも注目したい883系

JR九州の特急列車

いかがでしたでしょうか。
883系の大きな特徴である振り子機構は、KATO独自の技術によって模型でも再現されており、本形式とKATOの相性の良さを感じさせるポイントといえるでしょう。造形や塗装、印刷の仕上がりも良好で、883系が好きな方にとっては魅力的な製品となっています。

また、九州の鉄道情景を再現するうえでも欠かせない形式のひとつであり、特急列車の主役として活躍してくれます。
KATOではパネル違いの編成も順次製品化されているため、今後の展開次第では、自分のお気に入りの883系がラインナップに加わる可能性もありそうです。気になる方は、今後の製品発表にも注目してみてはいかがでしょうか。

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