九州を代表する特急電車885系。
白い車体に流れるようなライン、そして振り子式による快適な走行性能は、多くの乗客と鉄道ファンの心を掴んできました。かつては「白いかもめ」や「白いソニック」として別々の装いをまとっていたこの車両も、今では「アラウンド・ザ・九州」の名のもとに統一されたデザインで活躍しています。
この記事では、そんな885系の実車としての変遷と、KATOから過去に発売された「白いソニック」と「白いかもめ」を中心に、歴代モデルの魅力を比較しながら最新の製品を紹介していきます。
今、KATOが再現してきた885系の軌跡を一緒にたどってみましょう。

目次
白い振り子特急885系の実車変遷~かもめ・ソニックからアラウンド・ザ・九州へ
2000年、JR九州は883系の後継特急車両として885系を導入しました。
この車両は、783系や485系を運用していた特急かもめの速度アップのために開発、デザインはJR九州ではおなじみの水戸岡鋭治さんのドーンデザインが担当しました。6両編成で振り子機構を備えた車両です。デビュー時は白い車体に黄色のアクセント、そしてかもめをあしらったデザインでした。

2001年には2次車としてソニック用の5両編成が登場しました。こちらはヘッドライト部のデザインが変更されたほか装飾のアクセントも青色の変更、ロゴはソニック専用のものになりました。2003年には1両増結され6両編成となりました。

面白かったのはそれぞれ専用塗装だったにもかかわらずソニック運用にかもめ用の車両が、またその逆もあり利用者を混乱させました。
2010年ごろから黄色だったかもめ用885系はソニック用と同じ青色に変更され始めました。またそれぞれの専用装飾も他の特急車と同じアラウンド・ザ・九州に変更されました。

運用は主に特急かもめとソニックで運用されてきましたが2023年の西九州新幹線開業に伴って特急かもめの運用がなくなり特急リレーかもめ・かささぎ・みどりに充当されるようになっています。
KATO最新の885系(2次車)〈アラウンド・ザ・九州〉の編成とラインナップを紹介
KATOから2025年8月に発売されるのは、885系(2次車)〈アラウンド・ザ・九州〉です。
本製品は、実車でかつて分かれていた「白いかもめ」「白いソニック」の装いが統一された後の姿を再現しており、現在のJR九州のスタンダードな特急車両として活躍する姿がモデル化されています。
品番 | 品名 | 価格 |
10-1952 | 885系(2次車)<アラウンド・ザ・九州> 6両セット | ¥20,900 |

過去には黄色モチーフで白いかもめの1次車や青モチーフで白いソニックの2次車、1次車の青モチーフ変更後のアラウンド・ザ・九州などが製品化されています。
最新のKATO 885系のディテールをチェック!過去モデルとの違いとは?
では模型を見てみましょう。今回は2次車ソニックで解説を進めたいと思います。

クロハ884です。運転台側の半室はグリーン車、後ろ側は普通車になっています。

ヘッドライト・テールライトはこんな感じです。


登場時はソニックのロゴでしたが現在はアラウンド・ザ・九州のロゴに変わっています。


1次車のかもめ用のクロハ884はモチーフが黄色になっていました。現在は2次車と同じ青色でアラウンド・ザ・九州のロゴになっています。


1次車と2次車ではライトの形状が違います。またデッキの窓の形状も違います。


今回の製品では先頭車の台車カバーも半球型から丸い平板に変更になっています。


モハ885-200です。パンタグラフ付きの電動車です。交流電車なのでガイシや機器が多くついています。また振り子車両なのでパンタ台の形状が独特です。


1次車・2次車ではやはりデッキ部の窓配置が違います。


サハ885-300です。この車両もデッキ部の窓配置が一部違います。

サハ885です。

モハ885です。

クモハ885です。

実車の振り子機構もしっかり再現されています。
室内灯で885系の魅力が引き立つ!対応するパーツは?

KATOの885系は室内灯を追加することで、よりリアルな雰囲気を楽しむことができます。
特に白を基調とした車体に、やわらかく灯る光が加わることで、夜の駅や停車中のシーンが一気に引き立つようになります。取り付けは以下の記事を参照してください。
品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
11-211 | LED室内灯クリア | ¥792 | KATO |
11-212 | LED室内灯クリア 6両分入 | ¥3,960 | KATO |
取り付け方は以下のリンクを参照してください。
885系と並べて楽しみたい!九州の車両たちを紹介

まずは特急型から見ていきます。かつてはつばめ・リレーつばめ・有明で並んだ787系。現在はリレーかもめやかささぎなどで共演しています。同じソニックで走る九州の元祖振り子車両の883系は現在も変わらず一緒に走っています。



在来線の電車だと811系・813系・817系・415系でしょうか?885系の走行区間では頻繁にすれ違います。


気動車だとキハ200・キハ220・キハ47・キハ40が終端駅で乗り入れる非電化路線の車両として並びます。
白い特急885系の魅力を模型で楽しもう
JR九州の象徴だった白い振り子特急・885系。
その姿は、登場当初の「白いかもめ」「白いソニック」から、現在の「アラウンド・ザ・九州」へと変化を遂げてきました。
KATOから登場した最新モデルは、そんな現行仕様の885系を忠実に再現した製品です。また独自の振り子機構や細部の装飾などKATOならではの技術が光ります。
最新の885系を通じて、九州の鉄道風景をぜひ模型の世界でも味わってみてください。
