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快速「ムーンライト九州」よ、再び!TOMIX 14系200番台客車を解説

「ムーンライト」と呼ばれる夜行快速列車は、かつて全国各地で数多く運行されていました。今回取り上げる14系客車も、その中のひとつ 「ムーンライト九州」 として活躍していた編成です。専用の塗装が施されたこの列車は、私自身も何度か利用したことがあり、今でも記憶に残っています。

今回新たに生産される製品は、以前発売されたモデルをベースに、当時は再現されていなかった仕様の車両が追加される点が特徴です。この記事では旧製品を振り返りつつ、新製品への展望も交えて解説していきたいと思います。

TOMIX 14系ムーンライト九州

ムーンライト九州と14系200番代の歩み

14系200番代は、国鉄時代に登場した14系座席車をベースに、スキー客向けの波動輸送用として改造されたグループです。大型の荷物置き場を設置やリクライニング角度の拡大など、長時間の乗車に対応した設備が特徴でした。

その代表的な運用が、京都(のちに新大阪)〜博多間を結んだ夜行快速 「ムーンライト九州」 です。春・夏・年末年始を中心に運転され、青春18きっぷシーズンの移動手段として多くの利用者に親しまれました。

運行開始当初は、展望車を含む6両編成で登場し、ユニークな専用塗装も相まって旅情を感じさせる存在となりました。その後、2005年夏からは8両編成に増結。2006年冬以降は展望車が外され、8両編成での運行となりました。最終的に2009年冬をもって運転を終了し、「ムーンライト九州」の歴史に幕を下ろしています。

14系ムーンライト九州

ムーンライト九州の2種類の編成

品番品名価格メーカー発売月
97637JR 14-200系客車(ムーンライト九州・6両編成)セット¥22,220TOMIX2026年01月
97638JR 14-200系客車(ムーンライト九州・8両編成)セット¥27,940TOMIX2026年01月
14系ムーンライト九州 編成表

今回はセット構成が見直され展望車入りの6両セットと後年、展望車が外された8両セットで製品化されます。8両セットのスハフ14とオハ14は改造車種によって形態の違う車両が2種ずつ入っています。
旧製品はそれぞれの4両基本セットに2両増結セットの追加で6両・8両を再現していたのでどちらが良いかは好みの分かれるところです。

特徴的な展望車も再現!細かな変更点もある14系客車ムーンライト九州のディテールポイント

では、模型を見てみましょう。

オハフ15-200 展望室

オハフ15-200です。展望室が取り付けられています。

3本いたオハフ15-200は展望室部分の塗分け(愛称幕部のピンクと側面の青帯)がすべて違うらしく旧製品(写真)は201で今回の製品は203に該当するようです。

オハフ15-200 車掌室

反対側には車掌室が付いています。窓は半分埋められていますね。

14系ムーンライト九州 テールライト・愛称幕

テールライトと愛称幕部はきれいにライトが点灯しています。

オハフ15-200 展望室のプリズム

車内を見てみると展望室部にはオレンジ色のプリズムが装着されていて室内灯装着時に普通座席部と色が変わるようになっています。

スハフ14-200です。発電用のエンジンが付いていてこれはグレーになっています。

スハフ14-203 

この製品はジャンパー栓がないですが8両セットのスハフ14-200にはジャンパー栓ありで渡り板と幌枠がグレーになっている203とジャンパー栓なしのものが1両ずつ入っています。

オハ14-200・250

オハ14-200・250です。200番台と250番台の違いは更衣室があるかないかの差なので外観は同じです。

14系ムーンライト九州 荷物棚部

この製品すべてに当てはまることですが大型の荷物室や更衣室、車販準備室のいずれかが設置されているため窓が一か所、埋められています。

オハ14-200・250 妻面 

今回の製品では改造車種の関係で連結面にジャンパー栓受けや貫通扉のない車両も含まれます。

リアルさを高めるオプションパーツ

TOMIXの14系客車(ムーンライト九州)は、TNカプラーや室内灯に対応しています。

品番品名価格メーカー
0733室内照明ユニットLC(白色LED)¥968TOMIX
0737室内照明ユニットLCセット(白色LED・6本入)¥5,500TOMIX
0374密自連形TNカプラー(SP・黒・6個入¥1,650TOMIX
14系ムーンライト九州 室内灯

室内灯は室内照明ユニットLC(白色LED)が対応しています。取り付けることで夜行列車らしい雰囲気を演出できます。取り付け方は以下のリンクを参照してください。

カプラーは標準のアーノルドカプラーから、別売のボディマウントTNカプラーに交換することが可能です。連結間隔が狭まり、連結面のリアリティが向上します。取り付け方は以下のリンクを参照してください。

EF65・EF81・ED76――夜行列車を牽いた名機関車

「ムーンライト九州」は区間ごとに電化方式が異なるため、それぞれの区間で別々の機関車が牽引を担当しました。

EF65 1000番台

EF65・EF66形電気機関車(JR西日本)は直流区間である京都・新大阪~下関で牽引しました。

EF81 400番台

EF81形400番台電気機関車(JR九州)は関門トンネルでの牽引を担当。もともと400番台はEF81形牽引の貨物列車を関門トンネルでも走れるように改造して誕生した形式です。

ED76

ED76形電気機関車(JR九州)は九州内の定番牽引機です。

このように本州から九州までを結ぶ列車ならではの機関車リレーが見られ、模型でも複数の機関車を組み合わせることでリアルな運行を再現できます。

模型でよみがえるムーンライト九州の魅力

夜行快速「ムーンライト九州」は、今では姿を消してしまった列車です。しかし鉄道模型の世界では、その特徴的な編成や雰囲気を手元で楽しむことができます。今回の製品は過去の仕様を踏まえつつ新しい要素が追加されており、往年の夜行快速をリアルに再現できるのが魅力です。かつて夜行列車で旅に出た記憶を持つ方にとっては、模型を通じてあの時間をもう一度味わえるのではないでしょうか。

ムーンライト九州

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