209系500番台は、中央・総武緩行線への投入を皮切りに、京浜東北線、京葉線、武蔵野線、八高線・川越線といったさまざまな路線で活躍してきた通勤電車です。
登場当初は“つなぎの車両”という立場でしたが、現在でも見かけることができ、その経歴の多様さは他の車両にはない魅力といえるかもしれません。
このような背景を持つ209系500番台は、各メーカーからNゲージモデルとしても展開されており、バリエーションや仕様の違いも楽しめるポイントのひとつです。
今回はこれまでレビューしてきたTOMIX製・KATO製209系500番台の情報を交えつつ、実車の変遷や各メーカーの模型ラインナップをまとめて紹介します。

目次
ワイドボディ通勤電車・209系500番台とは
209系500番台は1998年、中央・総武緩行線の103系置き換えを目的に登場しました。
ただし、当時すでに次世代通勤電車E231系の開発が進んでいたことから、209系500番台は量産までの“つなぎ”として導入されたという経緯があります。
大きな特徴は「ワイドボディ構造」です。通勤型ながら近郊型車両と同じ車体幅(2950mm)を持ち、ゆとりある車内空間を実現しました。このコンセプトはのちのE231系やE233系にも受け継がれていきます。
その後、京浜東北線や京葉線、武蔵野線、八高線・川越線へと活躍の場を広げ、現在でも多くの編成が現役で運用されています。
少数派だった京浜東北線時代の印象が強い方もいれば、現在の赤やオレンジの帯に馴染みのある方もいるかもしれません。
模型ファン必見!209系500番台の製品レビューまとめ
209系500番台は、TOMIXとKATOの両社からNゲージで製品化されています。本ブログではすでに、TOMIX製・KATO製それぞれの製品レビューを公開しており、模型としての楽しみ方や再現ポイントについて詳しくご紹介しています。また、両社の製品の特徴を比べた比較記事もあわせて掲載しており、どちらを選ぶか迷っている方の参考になれば幸いです。
▼各製品のレビューはこちら
現在では、両社とも京浜東北線仕様の209系500番台は再販されておらず、入手が難しい状況です。しかし、他線区の仕様を含めると今後の製品展開にも期待が持てます。まずは各社の特徴を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
気になる方は、ぜひ過去のレビュー記事や比較記事もあわせてご覧ください。
中央・総武線から八高線まで~各線区で活躍した209系500番台と模型ラインナップ
ここからは209系500番台の活躍している、あるいは活躍した路線とそれぞれの模型のラインナップを見ていきたいと思います。
中央・総武線各駅停車
1998年に黄色帯で登場。最初の9編成はひし形パンタグラフ、残りの8編成はシングルアームパンタグラフを搭載している。2019年には山手線から転属してきたE231系500番台で置き換えられ撤退した。

TOMIX・KATOそれぞれから発売されている。
TOMIX製はシングルアームパンタグラフ、窓改造後で強化スカートの仕様で製品化されている。6両基本セットと単品4両で10両編成になる。
KATO製はひし形パンタグラフ、窓改造後、強化スカートの仕様、さらに前面下部のホーム検知装置も再現されている。6両基本セットと4両増結セットで10両編成になる。
京浜東北線
2000年に中央・総武線各駅停車から転属、最大で5編成在籍した。2009年にはE233系1000番台に置き換えられ撤退。

TOMIX・KATOそれぞれから発売されている。詳細は以下のレビューを参照ください。
京葉線
2008年に京浜東北線から転入、赤帯となった。最大で4編成となったがE233系5000番台の導入でそのうちの3本は2011年までに武蔵野線用へと転用したが、残りの1本は現在もケヨ34編成として京葉線で活躍している。

TOMIX・KATOそれぞれから発売されている。
TOMIXからは現在活躍中のケヨ34編成が10両セットで発売。機器更新後の床板や大型スカート、側面窓改造のほか今回の製品からはホーム検知装置の表現の追加やクーラー形状や屋根のアンテナ配置の見直しなど改良がなされている。
KATOからもケヨ34が6両基本セットと4両増結セットで発売されている。こちらは機器更新前の床下となっている。大型スカート、側面窓改造、ホーム検知装置も今まで通り採用されている。
武蔵野線
2010年に8両編成となり京葉線から転用された。正面はオレンジ、側面はオレンジ・白・茶色のストライプの帯となっている。2018年からは中央・総武線各駅停車より転入。現在は11本が機器更新を受けて武蔵野線で運用している。

武蔵野線の209系500番台もTOMIX・KATOの両社から発売されている。
TOMIXからはシングルアームパンタグラフの編成が製品化されている。機器更新された後の姿で製品化されているが少し古い製品なのでホーム検知装置の表現や行先表示機の別パーツ化などは行われていない。近年は生産が行われていませんが現在も活躍中の車両なので最新の仕様での再製品化は期待できると思います。
KATOからもシングルアームパンタグラフの編成が製品化されているが、こちらは機器更新前の床下で製品化されている。大型スカートやホーム検知装置などは再現されている。
八高線・川越線
2018年に中央・総武線各駅停車より転属してきた。転属に際しては4両編成化、ドアスイッチ・車外カメラの設置、機器更新などの改造が行われ3500番台を名乗っている。5編成が運用中である。

こちらはTOMIXのみ製品化をしている。この編成はひし形パンタグラフとなっている。武蔵野線の209系500番台とほぼ同時期の製品化のため古い仕様の部分がある。
209系500番台の変遷と模型の広がりを振り返って
209系500番台は、中央・総武線でのデビューから、京浜東北線、京葉線、武蔵野線、八高線・川越線と各線区を渡り歩き、現在も活躍を続けています。Nゲージ模型でも各時代・各線区の仕様が再現され、ファンにとっては見逃せない存在です。
当ブログでは、TOMIX・KATOの製品レビューや比較記事も掲載しています。模型選びに迷った際は、それぞれの記事もぜひ参考にしてみてください。
今後も209系500番台に関連する情報を順次取り上げていく予定ですので、引き続きチェックしていただければ幸いです。