E231系500番台の登場により山手線を退いた205系、他線区への転属に際して短編成化が必要になりました。このため一部の中間車は先頭車へと改造され、八高線・川越線においては3000番台として活躍しました。かつての都心の通勤電車がのどかな風景の中で走る姿は、多くの鉄道ファンの心を惹きつけます。
この転身を遂げた車両がKATOからNゲージ化されました。改造時の特徴的な先頭形状をしっかりと模型に落とし込んでいます。
この記事では、KATO製205系3000番台八高線色の魅力を、実車の歴史・模型のディテール・オプションパーツ・相性の良い他車両まで、幅広く解説します。

目次
中間車から先頭車へ改造!205系3000番台の成り立ちと特徴
205系は1985年に登場した通勤型電車です。ステンレス車体にボルスタレス台車、電気指令式ブレーキなど国鉄としては初めての機構を搭載。また201系では高価だった電機子チョッパ制御から界磁添加励磁制御へと変わりながらも回生ブレーキを搭載し省エネを実現した形式です。山手線をはじめ多くの線区でJRになってからも増備されました。
転機は2002年、後継形式のE231系500番台が山手線に投入されたときです。11両の山手線205系が短編成化の上で8両の武蔵野線、6両の南武線へ転属していく中で余剰の中間車が発生します。この中間車を有効活用するために登場したのが先頭車改造車です。サハ205を改造した八高線向け3000番台、仙石線向け3100番台、鶴見線向け1100番台、南武線向け1200番台とモハ205・204を改造した南武支線向け1000番台がそれぞれ誕生しました。
八高線向け3000番台は2003年に登場しました。4両編成でオリジナルとは異なる前面を持ち、各客用ドアには半自動ドアスイッチが取り付けられました。また登場時にはひし形のパンタグラフがシングルアームのものに交換されました。
実車は2017年から投入されたE231系3000番台や209系3500番台によって置き換えられ2018年には八高線・川越線を撤退しました。一部の編成は3両化の上、富士急行へ譲渡され現在も活躍中です。

Nゲージで楽しむ4両編成!KATO製205系3000番台のセット内容を紹介
品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
10-494 | 205系3000番台八高線色4両セット | ¥12,650 | KATO |
KATO205系3000番台八高線色セットは4両編成のセットです。パンタグラフはシングルアームになってからの姿です。
先頭車改造もリアルに再現!KATO製205系3000番台の注目ポイント
ポイントはもちろん先頭車改造された前面です。各車両のディテールを見ていきましょう。

クハ204-3000です。サハ205に運転台を取り付けて先頭車に改造されました。改造された前面形状が目を引きます。このボディはクハ205-3000を流用していますのでドアコックの蓋の位置、冷房装置の向きが逆になっています。KATOの205系自体は以前から製品化されているのでその仕様に合わせた感じでしょうか?


ヘッドライト・テールライトに加え行先表示機も点灯するようになっているのはうれしいところです。運転台上のアンテナやベンチレーター撤去跡が再現されています。ドアスイッチは印刷で表現されています。屋根上のベンチレーターは屋根と一体成型になっているため前後がのっぺらぼうになっています。

モハ204-3000です。模型においてはモーター車となっています。全車とも山手線の205系が車種となっているのでドア窓が小窓になっています。


モハ205-3000です。シングルアームパンタグラフが搭載されています。床下機器ですが211系のものが流用されています。

クハ205-3000です。先頭車のボディはこの形式に合わせて製作されています。
室内灯で車内を演出!KATO製205系3000番台の対応パーツを紹介
205系3000番台の模型をさらにリアルに楽しむためには、室内灯の取り付けがおすすめです。装着することで、夜景走行や駅停車中の雰囲気を一層引き立てることができます。対応製品は以下の通りです。
品番 | 品名 | 価格 | メーカー |
11-211 | LED室内灯クリア | ¥792 | KATO |
11-212 | LED室内灯クリア 6両分入 | ¥3,960 | KATO |
取り付け方は以下のリンクを参照してください。
八高線・川越線の世界を広げよう!205系3000番台と並べたい車両たち
まず同一路線を走っていた車両として209系3000番台(TOMIX)・3100番台(マイクロエース)が挙げられます。

次に置き換えの過程で同時期に走っていた車両は103系3000番台(鉄道コレクション)、209系3500番台(TOMIX)、E231系3000番台(TOMIX・KATO)となります。
また、川越駅では埼京線に直通する205系(TOMIX・KATO)、E233系7000番台(TOMIX・KATO)、りんかい線70-000系(TOMIX・マイクロエース)、高麗川駅では八高線キハ110(KATO・GREENMAX)、拝島駅や八王子駅では中央線や青梅線を走る201系(TOMIX・KATO)やE233系(TOMIX・KATO)など、バラエティに富んだ並びを見ることができます。

改造車ならではの魅力が詰まった205系3000番台を手元に!
いかがでしたでしょうか?先頭車改造の205系はオリジナルのものとは一味違った面白さを感じることができます。また、川越線・八高線をまたにかける路線において様々な車両と並び、走り去ってゆく様は模型シーンにおいても活躍の機会が多いと思います。
残念ながら実車は同線から引退してしまいました。またこの製品は少し前に生産されているので入手しずらいかもしれません。もしこの製品を見かける機会があればこの活躍の記憶を模型でお手元に残してみてはいかがでしょうか?
また、同じデザインを持つ他線区の205系先頭改造車両購入の参考になれば幸いです。

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