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両雄対決 205系を比べてみた

KATOとTOMIXの205系

205系といえば、長年にわたりKATOが中心的存在でした。「205系=KATO」という印象を持つ方も少なくないでしょう。もちろん、マイクロエースやGREENMAXからも発売されてきましたが、定番形式として継続的にラインナップしてきたのはKATOでした。

そんな中、2020年にTOMIXが満を持して205系を製品化。第1弾の山手線を皮切りに、その後も各線区への展開を進めています。

そして2026年1月、両雄が同時期に注目製品を投入します。KATOからは武蔵野線の5000番台、TOMIXからは山手線のバリエーション製品が登場。武蔵野線5000番台はもともと山手線から転属した車両であることを考えると、出自を同じくする205系が両メーカーから同時に発売されるという、非常に興味深い構図となりました。

もっとも、KATOの5000番台は転用改造後の姿であり、オリジナルの山手線仕様とは異なる部分があります。本記事ではその違いも踏まえつつ、必要に応じて他のKATO製205系も参照しながら、造形・塗装・ディテールなどを比較していきます。

それでは、KATOとTOMIX、それぞれが表現する205系を見ていきましょう。

TOMIXとKATOの205系の基本情報

まずは、TOMIXとKATOからそれぞれ製品化されている205系の大まかなラインナップと、基本的な特徴を確認しておきましょう。

各製品については個別のレビュー記事も掲載していますので、あわせて参考にしていただければと思います。

TOMIX製 205系

TOMIXの205系は、2020年に山手線で初の製品化が行われました。その後、京阪神緩行線や京葉線(転属車)などのドア窓が小さいタイプ、さらに京浜東北線や総武線各駅停車といったドア窓の大きいタイプへと展開が広がっています。

当初はオリジナル前面を持つ車両が中心でしたが、昨年からは京葉線新製車、いわゆる“メルヘン顔”も登場し、ラインナップは着実に拡充しています。

当ブログでも複数製品をレビューしていますので、下記リンクからご覧ください。

KATO製 205系

KATOの205系は登場当初から製品化されており、オリジナル顔からメルヘン顔、さらには先頭車改造車まで幅広いバリエーションが存在します。

近年は、比較的最近まで実車が残っていた武蔵野線・宇都宮線・日光線、あるいは現在も活躍する仙石線などが製品化されています。

こちらも当ブログでレビューを行っていますので、ぜひあわせてご覧ください。

各部ディテールを比較する

それでは前面から見ていきましょう

クハ205 前面比較1
写真左がTOMIX、右がKATO

TOMIXは比較的新しい製品だけあって、前面の彫りはかなり細かめ。ライトのヒンジまで再現されているところはさすがです。一方のKATOは、プロポーション自体は悪くないものの、モールドが全体的に太めで前面は少し大味な印象です。また少し面長に見え、スカートもやや縦に長く感じられます。
アンテナはTOMIXが取付済みですが、ディテールはややあっさりした印象です。対してKATOはTOMIXよりサイズは大きめながら、造形自体は細かく感じられます。こちらはユーザー取付式となります。また、ベンチレーターが別パーツ化されているTOMIXは、屋根まわりの見た目もよりリアルに感じられます。
ヘッドライトはTOMIXが明るく点灯します。KATOは麦球のため少し暗めです。またTOMIXでは点灯する行先表示機は、KATOでは非点灯です。さらにライトケースが小さいため、KATOは室内灯を装着した際に運転台付近から光が漏れます。
また、行先表示はTOMIXは別パーツで表現するのに対してKATOはステッカー貼り付けになります。
TOMIX製品にはJRマークが印刷されていませんが、これは仕様によるもので、付属の転写シートから貼り付ける形になります。

クハ205 前面比較2
写真左がTOMIX、右がKATO

少し角度を変えてみると、スカート周りの表現差が分かります。TOMIXは配管やジャンパ栓受けまで細かく造形されていますが、KATOはシンプルで、前側スカートを支える脚の表現もありません。

上から見ると、山手線初期車に見られる運転台後部から屋根へ続くステップは両社とも再現されています。ただしKATOは屋根金型を流用しているため、ステップのない車両でもモールドが残る仕様になっていますが南武線新製車などアンテナの配置が異なる車両では専用金型が用意されています。

側面を見てみましょう。
TOMIXは表記類が印刷されておらず、付属の転写シートで対応します。KATOは標記が印刷済みです。ステンレスの塗装表現は両社で方向性が異なり、KATOは単色ベースにドア縁や乗務員扉を銀メッキで仕上げ、メリハリを出しています。TOMIXは2色の銀色を使い分け、ステンレスらしい質感を表現しています。またKATOと同様にドア縁や乗務員扉を銀メッキで仕上げとなっています。
クハ204のボディを見比べると、ドアコック位置に違いがあります。これはKATOがクハ205のボディを流用していることに由来します。この辺りは古さを感じさせる仕様ですね。

次は床下を見てみます。
先頭車の床下機器は両社で異なり、TOMIXは新規設計となっています。山手線2次車用に専用金型を用意している点からも作り分けへの意識がうかがえます。KATOは他形式からの流用が見られます。

モハの床板も比較すると差があります。八高線製品で見ると、KATOは旧製品の211系の床板を使用しています。特に差が顕著なのがモハ205で抵抗器の数が違います。一方TOMIXは初期車とそれ以降で一部の床下機器を作り分けています。ただし武蔵野線モハ205-5000ではKATOも専用床板を用意しています。

台車は両社ともDT50形・TR235形を再現しています。ただし後期車用のDT50D形・TR235D形や、武蔵野線5000番台用のDT70形は再現されていません。造形はどちらも良好ですが、KATOは空気ばねがやや小さく見え、車両が浮き上がってるように見えます。

妻面では、今回のTOMIX製品は2次車ということで、ステップが互い違いに配置された形態を再現しています。KATOも同様の配置ですが、少し大振りとなっています。また、実車では配置が異なる車両についても模型では同一仕様となっています。
TOMIXは幌が装着済み。カプラーはアーノルドカプラーで、ボディマウントTNカプラーへの交換にも対応しています。
一方KATOはジャンパ線付きのKATOカプラーを採用しており、連結面の見栄えは良好です。

205系パンタグラフ周り比較
写真左がTOMIX、右がKATO

最後に屋根上です。
まずはパンタグラフ周りから見てみます。屋根上の配管はどちらも遜色がないです。管表現は両社とも良好ですが、パンタグラフのシュー形状はTOMIXのほうが実車に近い印象です。避雷器は両社とも別パーツで、TOMIXは取付済み、KATOはユーザー取付式です。

205系クーラー比較
写真上がTOMIX、下がKATO

続いてクーラーです。外観がステンレス仕上げのため、両社とも別パーツ構成。TOMIXはややあっさりした造形に感じるのに対し、KATOは彫りが深く、網の奥のファンまでしっかり見える点は見事です。

両社205系の方向性

TOMIX205系とKATO205系

いかがでしたでしょうか。

205系に関しても、103系と同様に両社の方向性の違いがはっきりと表れています。決定版のごとく精密な模型として満を持して製品化したTOMIXと、実車登場時から長年製品化を続け、大切に育ててきたKATO。それぞれの205系に対するスタンスが、そのまま製品に反映されているように感じます。

近年は模型価格も上昇傾向にあり、そうした中でKATOの価格面でのメリットも無視できないポイントになってきました。

103系のときと同様、「本気の205系」を見てみたい気持ちもありますが、TOMIXが積極的に展開を続けている現状を考えると、その可能性はやや低いのかもしれません。この点は、近年リニューアルされた211系とは少し事情が異なるように思えます。(211系はTOMIXから本格的なリニューアルが行われていません)

今後も両社からの205系展開に期待しつつ、引き続き注目していきたいところです。また機会があれば各々の205系のレビューも掲載したいと思います。

それでは、皆さまも素敵な模型ライフをお楽しみください。

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