2025年12月19日、ポポンデッタから東武鉄道アーバンパークラインの最新形式・80000系の製品化が発表されました。
本記事では、この80000系について実車の概要と模型の仕様を紹介するとともに、同形式の導入によって大きく変化しつつあるアーバンパークライン(野田線)の車両事情を、鉄道模型を交えながら整理していきたいと思います。

目次
東武80000系の概要と導入の背景
2025年3月8日から運用を開始した、東武アーバンパークラインの最新形式です。
80000系は、東武鉄道が掲げる「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」の実現をコンセプトとして開発された新型通勤車両です。外観は、60000系で採用された「フューチャーブルー」と「ブライトグリーン」を基調としたカラーリングを継承し、先頭部はエッジを強調した造形とすることで、先進性を感じさせるデザインとなっています。
車内は「リビング」をテーマに、落ち着いた雰囲気の客室空間を演出。一部には「たのしーと」が設けられ、子育て世代の利用を意識した内装や、ベビーカー利用者にも配慮した構造が採用されています。
80000系は今後25編成が導入される予定で、このうち18編成は4両を新造し、60000系を5両編成化した際に発生する中間車1両を組み込む編成(80050型)となる点も特徴です。

ポポンデッタ製 東武80000系のラインナップと仕様
| 品番 | 品名 | 価格 | 編成番号 | 行先表示 |
| 6122 | 東武80000系5両セット | ¥31,660 | 81502編成 | 普通 大宮 |
| 6123 | 東武80000系「みまモニ」編成(81504F)5両セット | ¥33,880 | 81504編成 | 普通 柏 |
| 6124p | 東武80000系「みまモニ」予備編成(81505F)5両 | ¥31,660 | 81505編成 | 急行 船橋 |
| 東武商事限定 | 東武80000系81501編成5両セット | 未定 | 81501編成 | 急行 大宮 |
ポポンデッタから発売される東武アーバンパークライン80000系として、全4種類の製品がラインナップされています。いずれもオール新造車による5両編成が再現されたモデルです。
共通仕様として、ヘッドライト・テールライト・前面行先表示が点灯するほか、側面行先表示は印刷済みとなっています。実車の印象を手軽に楽しめる仕様と言えるでしょう。
品番6122および6123は、一般販売される通常製品です。このうち6123は、施設状態モニタリングシステム「みまモニ」を搭載した編成を再現しており、3号車の屋根上および床下にモニタリング装置が取り付けられています。床下のモニタリング機器は、点灯ギミックが採用される予定となっており、模型としての見どころの一つです。
品番6124pは、ポポンデッタ店舗および通販限定の商品で、「みまモニ」搭載準備状態の編成を再現した仕様となっています。
このほか、東武商事限定として81501編成の5両セットも発売予定となっており、こちらはオリジナルパッケージや特典が付属する企画商品とされています。
80000系と並んで走る6両編成の車両たち
80000系の導入と60000系の5両編成化が進むアーバンパークラインでは、現在、5両編成と6両編成の車両が混在する過渡期を迎えています。
80000系の模型化により、こうした変化の途中段階をレイアウト上で再現できるようになることは、鉄道模型的にも大きな魅力と言えるでしょう。
本章では、80000系と並んで走る6両編成の車両に注目し、現在のアーバンパークラインを形作ってきた形式を整理していきます。5両編成の車両については、今後模型化が進む可能性はあるが今現在、模型化されているものはないので本記事ではいったん後回しとし、現時点で再現できる6両編成車を中心に紹介します。
8000系

いわずと知れた東武鉄道を代表する形式であり、私鉄全体で見ても最多両数を誇った車両です。アーバンパークライン(野田線)では、8000系のみで運行されていた時代もありましたが、近年はその数も徐々に減少しています。
80000系の導入に伴い、残る8000系についても今後廃車が進む見込みです。鉄道模型では、KATOから「東武鉄道8000系 アーバンパークライン」として、6両編成が新たに製品化される予定です。
本製品については、以下の記事で考察を行っているので、あわせて参考にしてみてください。
10030型・10050型


2013年からアーバンパークラインで活躍しているステンレス車両です。他路線ではマルーン帯をまとっていましたが、転属にあたり60000系と同様の「フューチャーブルー」「ブライトグリーン」の帯へと変更されました。
10030型は更新車、10050型は未更新車で、外観に違いが見られる点も特徴です。こちらも80000系の導入により、今後の動向が注目される形式となっています。
鉄道模型はいずれもGREENMAXから発売されており、以下の記事で詳しく紹介しています。
60000系

60000系は2013年から運用を開始したアルミ車体の通勤車両です。転属車が多かったアーバンパークライン(野田線)において、初めての新造形式として登場し、注目を集めました。
「フューチャーブルー」「ブライトグリーン」の配色はこの形式から採用され、現在の路線カラーの基礎となっています。80000系の導入により、本形式は6両編成から5両編成への改造が進められており、編成から外された1両は、新造された80000系5両編成に組み込まれ、80050型となる予定です。
鉄道模型はGREENMAXから発売されており、以下の記事で紹介しています。
80000系の登場で再現できる「今」のアーバンパークライン

いかがでしたでしょうか。KATO製8000系6両編成に続き、80000系の模型化も発表され、アーバンパークラインを取り巻く模型事情は一気に活気づいてきました。
8000系のみが走っていた時代を知り、日常的に利用していた立場としては寂しさを覚える部分もありますが、変化は路線が歩み続けてきた証でもあります。
実車と同様に、模型でも世代交代が進む今だからこそ、過去・現在・そしてこれからのアーバンパークラインを並べて楽しんでみるのも一つの醍醐味と言えるでしょう。今後登場する模型についても、引き続き注目していきたいと思います。




